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【ボクシング世界戦Wインタビュー】3階級制覇に挑む京口紘人「僕のボクシング人生も最終章」 迎え撃つ王者は「苦労した母のためにも負けられない」 (2ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

【日本でもファン増の王者は「6ラウンド以内にKOしたい」】

 発言どおり、デビューから6戦目で世界タイトルマッチの舞台に上がり、果敢に攻めたオラスクアガの健闘を讃える声は多かった。拳四朗戦で株を上げたオラスクアガは、以来日本のリングでキャリアを積んでいる。今回が5試合連続の東京でのファイトとなる。

 そのファイティングスタイルで、日本人ファンを増加させているオラスクアガは、1999年にカリフォルニア州で誕生した。物心ついた時、両親はしょっちゅうもめていた。父が母に暴力を振るう姿を日常的に見て育った。

「母はハウスキーパーとしてLAのホテルに勤務し、自分を含めた6人の子供を育ててくれた。姉3人、兄1人、弟1人っていう家族構成さ。きょうだいそれぞれが里親に預けられ、バラバラになってしまった。僕はまだ7、8歳だった。悲しかったな。2カ月に1度、裁判所で兄や姉と顔を合わせたけれど......一緒には住めなかった。1年くらい、そんな状況だった。やがて父は、メキシコに強制送還された。その時、自分は11歳だったかな。

 世界チャンピオンになって、苦労した母に金銭面でのサポートができるようになったことがうれしい。いずれは家をプレゼントしたい。そのためにも、負けられない。WBOはタイトルを5回防衛したチャンピオンに記念の指輪を贈るって聞いたから、それが欲しいね。いずれは拳四朗に借りを返したい。絶対に」

 オラスクアガは結んだ。

「京口は攻撃的だが、僕はもっとアグレッシブだ。拳四朗が京口を7回でKOしているなら、僕はそれよりも早い回で倒して実力を見せつけたい。そしてリマッチに結びつけたいね。

 ペースをつかんでコントロールしてみせる。あらゆるスキルを使うよ。エキサイティングな試合になるだろうし、僕のキャリアで最高のファイトになるんじゃないかな。日本の皆さんが満足する試合にしたい」

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