ウナギ・サヤカは「東京ドーム自主興行」を目指して 人生賭けて応援してくれるファンのためなら「私はなんだってやる」 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

【今年38歳、キャリア5年「なにも諦めてません」】

 6月28日、ルチャリブレのイベント『ルチャフェス』第2回大会でダーク・シルエタを撃破し、CMLL日本女子王座を獲得した。そして10月25日には、ルチャの聖地・アレナメヒコで行なわれる「Grandprix de Amazonas2024」に参戦が決定している。

 CMLL世界女子王座の初代王者はブル中野だが、グランプリで優勝した日本人はまだいない。ウナギはグランプリで優勝して、"ブル中野超え"を狙っている。「優勝したら、ブル中野より偉そうにできる!」と目を輝かせる。

「結局、自分の人生って、自分で責任を持って最後までやるしかない。周囲が敵になり得ることもあるし、味方になり得ることもあって、それって自分だけの選択の連続というか。私は今年38歳になったけど、キャリアはたったの5年。なにも諦めてません。みんなも、なにかをやるのも諦めるのもどっちも選択できるけど、どうせだったらやってほしいと思う。でも無責任に『やれば?』とは言わずに、私自身が証明していけたら、みんなの生きる勇気になれるんじゃないかな」

 38歳で、両国国技館で自主興行をやる。相当にぶっ飛んだ女だなと思う。「もし両国でコケたら、さすがに東京ドームはできない」と言うが、コケることはないだろう。彼女には熱狂的なファンたち、通称"ひつま武士"がいるからだ。

 ウナギが試合をするとなれば、どんな地方の会場にも赴く。自主興行の前には、ウナギの代わりに都内の飲食店にポスターを貼りに行った。世界中を探しても、こんなにも熱く、行動力のあるファンたちはいないのではないかと思う。

「人生賭けて応援してほしいと思うし、そのためなら私はなんだってやる。その信頼関係じゃないですかね。これを最大のお祭りにできるかどうかは、ウナギ・サヤカとひつま武士次第です。『どうせやるなら楽しいことをやりたい』という人たちの集まりだと思っています」

 ここで原稿を書き終えたちょうど1時間後、ウナギはYouTubeを更新。2025年2月16日、後楽園ホールで自主興行を開催すると発表した。4月26日に両国国技館で自主興行を開催するというのに、いったいどういうことなのか......。ウナギの物語は現在進行形で目まぐるしく変化していく。私の物語もまた、変化していくことになるだろう。ウナギ・サヤカに惚れるというのは、きっとそういうことなのだ。

【プロフィール】
■ウナギ・サヤカ

1986年9月2日、大阪府生まれ。2019年1月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にて「うなぎひまわり」としてデビュー。2020年11月、スターダムに初参戦。コズミック・エンジェルズを結成し、12月、アーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。2021年7月、フューチャー・オブ・スターダム王座を戴冠。2022年10月よりフリーになり、"ギャン期"と称して多団体に参戦。2023年10月、KITSUNE世界王座の初代王者、2024年1月6日、JTO GIRLS王者、1月7日、アイアンマンヘビーメタル級王者となり、三冠王となる。2024年1月、9月、後楽園ホールにて2度の自主興行を開催。168cm、54kg。X:@unapi0902

【大会情報】
■自主興行・第3弾
・日時:2025年2月16日(日)
・場所:東京・後楽園ホール

■自主興行・第4弾
・日時:2025年4月26日(土)
・場所:東京・両国国技館

【写真】ウナギ・サヤカ フォトギャラリー デスマッチで顔面が真っ赤に染まったカットも

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