ウナギ・サヤカは「東京ドーム自主興行」を目指して 人生賭けて応援してくれるファンのためなら「私はなんだってやる」 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

 最後は鈴木がゴッチ式パイルドライバーでウナギを破った。試合後、マイクを取ったウナギはこう言った。「ちょうど横にさ、偶然にも、もっともっと大きいハコがあるんだよね。東京ドーム、目指してやろうじゃん!」――。

「完全に思いつきです。後楽園は超満員札止め。本当にすごく幸せな空間で、どうせやるなら絶対もっとデカい場所でやりたいので、だったら東京ドームしかないなと思いました。セコンドで行ったことはあるけど、私にとって縁のなかった場所。一番になるんだったらあそこで自主興行をやらないと、一番になったとは言えないと思う」

 東京ドームで自主興行......。東京ドームというメジャーな響きと、自主興行というインディーな響きのギャップが、摩訶不思議な魅力を放つ。言わずもがな、これまでに東京ドームで自主興行を開催したレスラーはいない。もしも実現すれば、前代未聞。世間を騒がせることになるだろう。

【起きてから寝るまで、すべてをプロレスに注いでいる】

 4月26日のDDT墨田区大会にて、保持していたアイアンマンヘビーメタル級王座を賭けて、髙木三四郎と対決。髙木はウナギのコスチュームを着用した"ウナギ・サンシロウ"として登場し、ウナギを大いに翻弄した。最後は髙木のスタナーをもろに受け、ウナギは屈辱の3カウントを聞いた。試合後、髙木は「こうやって(キャラクターを)パクられるのも、おまえが一流のレスラーになった証だよ」と、ウナギの活躍を絶賛した。

 7月5日、DDT上野大会で、ウナギと髙木はタッグチーム"ウナギ・ウォリアーズ"を結成。"劇薬"バラモン兄弟を相手にカオスな試合を繰り広げ、バラモン兄弟は蒲焼のたれや山椒をレフェリーの顔に噴射するなど、収拾がつかない事態に発展。無効試合の裁定が下った。

 ウナギはギャン期(ウナギが呼ぶ、他団体参戦をメインに活動した時期)を振り返るなかで、「髙木三四郎の存在はものすごく大きい」と言う。

「DDTって、天才じゃないですか。『くだらなすぎて観に行きたい』っていうのは、DDTだけだと思う。本当にドラマティック・ドリーム・チームですよね。髙木三四郎はDDTという団体をあそこまで大きくした偉大な人。DDTを馬鹿にする人もいるし、その意味ももちろん理解しているけど、結局は『客席を満員にするのが正解なんじゃないの?』と思う」

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