ウナギ・サヤカは「東京ドーム自主興行」を目指して 人生賭けて応援してくれるファンのためなら「私はなんだってやる」 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

 実際の試合は、ハードコアというよりもデスマッチに近かった。全員が血まみれになり、まるで地獄絵図を見ているかのようだった。葛西純、藤田ミノル、鈴木みのる......超一流のレスラーが一堂に会すると、こんなにも凄絶で美しい試合になるのかと驚かされた。そこにウナギも含まれていた。この景色は紛れもなく、彼女が2年間のギャン期を通して自らの手で作り上げたものだ。

 試合後、マイクを持った鈴木みのるはウナギにこう言った。「おまえ、血だらけになって、ちょっとは美人になったな」――。プロレスラーとして、女として、最上級の賛辞だろう。

「みのるは"マブ"なんですよ。男か女かどうかだけ違って、ほかは似てるんでしょうね。お互いを仲間だと思っている気がします。お互いに仲間がいないなかで、考えていることとか、辿りつきたいところとか、一緒なんだろうなとすごく感じました」

 葛西と対戦して、「いつかシングルをやりたい」と思ったという。葛西とシングルをやるとなれば、試合形式はデスマッチになる可能性が高い。生半可な気持ちではできないが、それでもやりたい気持ちは変わらない。

「葛西純は、プロレスラーとして全部を持っているんですよ。カリスマ性も温かさもあるけど、凶器もある。マジで潰したいですね」

 大会終了後、2025年4月26日に両国国技館で自主興行を開催することを発表した。両国国技館のキャパは最大1万1000人。美術次第でキャパは変わるが、スターダムや新日本プロレスを超えるためには、「4000人が目安となる」とウナギは語る。後楽園ホールのおよそ3倍だ。

「後楽園で興行を打ち続けることもできるし、横浜武道館とか大田区総合体育館とか大きい会場はいくらでもあるけど......自分もワクワクできる場所かつ、東京ドームに進むために、次は両国しかない。自分のなかではマストでしたね」

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