髙木三四郎が語る「都電プロレス」炎上の真相と、ササダンゴ・マシンとの「カオス」なワンマッチ (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

■「都電プロレス」炎上の真相

――6月29日、東京さくらトラム(都電荒川線)で鈴木みのる選手と「都電プロレス」を行ないました。かなり話題になったというか、炎上したというか......。都知事選の選挙期間中だった小池百合子都知事が参加したことに多くの批判が集まりました。

髙木:東京都交通局さんがプロレスにすごく理解があって、今年3月くらいには車両使用のOKが出ていたんです。東京都議会議員の川松(真一朗)先生のお力が大きかったんですけど、知事も公務として見に来ていただけることになりました。それが、あとから都知事選と被ってしまっただけの話なんです。断るのも申し訳ないじゃないですか。

――インターネットではいろいろな意見がありましたね。

髙木:「プロレスが政治にへりくだった」と言ってる人もいましたけど、「ちょっと次元が低いな」と思いました。場所はどうであれ、プロレスがこうやって世間に取り上げられるのはなかなかないことだし、エンターテイメントとして、あの場所にいた16人のお客さん、都知事、SPの人たちを楽しませなくちゃいけない。それが大前提なんですよ。そもそも、観ていない人たちのためにやっているわけじゃない。観ている人たちのためにやった結果があれだったわけです。

――都知事が鈴木みのる選手にチョップをする場面もありました。

髙木:僕が鈴木みのるさんを羽交い締めにして、知事に「お願いします!」と言ったら「なにをやればいいんですか?」と聞かれたので、「チョップでお願いします」と。それで空手チョップをやっていただけたんです。知事は最初の3駅くらいしかいなかったんですけど、とても楽しんでくださって、「本当にプロレスって面白いですね」と言ってくださいました。

 新幹線プロレスの時もそうでしたけど、「なんでこんなところでやるのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。でも、「普通にリングでやるだけじゃ話題になんないじゃん」って。それくらい今はエンタメのジャンルが増えていて、話題を作ることが難しい時代になってきている。プロレスは昔みたいに、地上波のゴールデンタイムで放映しているわけでもないし、趣向を凝らさなければいけない。それで、「観ていただければわかる」という感じですね。

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