髙木三四郎が語る「都電プロレス」炎上の真相と、ササダンゴ・マシンとの「カオス」なワンマッチ (2ページ目)
――その席の方たちは記者席にパソコンを持ち込んで、記者のふりをしていましたね(笑)。試合後はバックステージコメントも取ったとのことですが?
髙木:取ってましたよ。あの席を買った人たちは、もともとプロレスマスコミの仕事をしたかったんだそうです。今は別の仕事している人たちが、ちょっと高いお金を払って記者のふりをする。もう、「おっかしいな」って。
――夢がありますね!
髙木:あと、引退セレモニーシートがよかったですね。何十年も会社に勤務されていた男性が、第二の人生を考えて"引退"するためにリング上で10カウントゴングを聞く。ほかのお客さんにとっては"知らない人"の引退なんですけど、「あれが一番感動した」という人が多いんですよ。
――そんなアイディアが出てくるマッスル坂井さん(スーパー・ササダンゴ・マシン)は、あらためて天才だと思いました。
髙木:天才ですね。後楽園ホールでもできるなと思いましたもん。「今度は"煩悩の数"の108種類の席を作ろう」って言ったんですけど、それくらいできますよ。この日は実質3試合しかしてないけど盛り上がったし、カオスだったし「なんだったんだろう」と(笑)。
それで「マッスル! マッスル!」で締めてて、最後の最後で「これ、マッスルだったんだ!(マッスル坂井が手がけるプロレス興行「マッスル」)」と思って。あれは真似する団体が出てくるんじゃないかな、というくらい斬新でした。間違いなくスーパー・ササダンゴ・マシンの"専売特許"みたいな大会ですけどね。
――最後、スーパー・ササダンゴ・マシン選手が「この景色を髙木さんに見せたかった」とおっしゃっていたのが感動的でした。
髙木:僕は、なんで見せられてるのかよくわからなかったですけどね(笑)。でも、新しい興行がひとつ生まれたという点では斬新だったし、本当に天才としか言いようがないです。
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