山中慎介が絶賛するボクサー那須川天心の才能 対決の機運が高まる王者・武居由樹の次戦の展望は? (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――比嘉選手は4連勝中で、直近2試合はKOで勝利しています。

「バンタム級に上げてからの2戦目、西田凌佑(現IBF世界バンタム級王者)に敗れてWBOアジア・パシフィック王座を失いましたが、そのあとはしっかりと結果を出して、バンタム級での自信もついてきたでしょう。今回の世界タイトル挑戦は、比嘉にとっていいタイミングだと思います」

―― 一方の武居選手は、5月にジェイソン・モロニー選手に勝ってWBOの世界王座を獲得しました。

「その試合は最終ラウンドでピンチもありましたが、長いラウンドを経験したことで、終盤までの集中力やスタミナの重要性もわかったはずです。それを東京ドームの大舞台で経験できたのは非常に大きいと思います」

――勝負のポイントはなんでしょうか?

「比嘉がサウスポーの武居を相手に、どれだけ自分の距離に入って打ち込めるかですね。距離を取りたい武居と中に入りたい比嘉の攻防が見どころです。井上尚弥の試合の前に、激しいセミファイナルが見られそうですね」

【プロフィール】

■山中慎介(やまなか・しんすけ)

1982年滋賀県生まれ。元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎氏が巻いていたベルトに憧れ、南京都高校(現・京都廣学館高校)でボクシングを始める。専修大学卒業後、2006年プロデビュー。2010年第65代日本バンタム級、2011年第29代WBC世界バンタム級の王座を獲得。「神の左」と称されるフィニッシュブローの左ストレートを武器に、日本歴代2位の12度の防衛を果たし、2018年に引退。現在、ボクシング解説者、アスリートタレントとして各種メディアで活躍。プロ戦績:31戦27勝(19KO)2敗2分。

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