山中慎介が絶賛するボクサー那須川天心の才能 対決の機運が高まる王者・武居由樹の次戦の展望は? (3ページ目)
――天心選手は試合前、「短距離、中距離、長距離、すべて(練習で)やったんで、ちょっと迷うこともあった」とコメントしていました。山中さんがジムで見た時、そんな様子はありましたか?
「本当に細かい部分まで考えながら練習に取り組む選手ですから、思うように動けていないと感じていたのかもしれません。本田明彦会長も『今、ちょっと苦労してる時期』と言っていました。もちろん試合では、いい状態に仕上がっていましたが」
――天心選手はこの先、日本王座は同じ帝拳ジムの増田陸選手が保持しているため、東洋太平洋かWBOアジア・パシフィックのタイトルを狙うことになるでしょうか?
「天心はアジア・パシフィックで1位にランクインしていて、その王座は空位。一方で東洋太平洋王者の栗原慶太は、前戦(ノンタイトル8回戦)で判定勝ちしましたが、自らマイクで謝罪するほど出来はよくなかったですね。天心サイドがそのあたりをどう判断するかはわかりませんが、どう動くのか注目です」
――世界が見えるところまで、一気に駆け上がってきましたね。
「ボクシングデビュー(2023年4月8日)から1年ちょっと。やっぱり"神童"ですね。天才的な才能がありますよ」
【武居の次戦、比嘉との試合はどうなる?】
――将来的に最も盛り上がりそうなカードは、武居選手との試合になるかと思います。武居選手が所属する大橋ジムの大橋秀行会長や八重樫東トレーナーも天心選手の名前を出すなど、少しずつ対決への機運が高まっているように感じます。
「そのカードは間違いなく盛り上がるでしょう。ボクシングファンだけでなく、昔からふたりを応援しているキックボクシングファンにとっても興味深いはずです」
――武居選手は、WBO世界バンタム級タイトルマッチ(9月3日、東京・有明アリーナ)で同級1位の比嘉大吾選手と初防衛戦を行ないます。
「比嘉が(2020年に)バンタム級に上げた時は、フライ級の時のように相手との体格差を活かすことができなくなるので最初は厳しいかな、と思っていました。でも、馴染んできたように見えますね」
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