「お前、そんなこともやるのか!」148cmの女子プロレスラー・駿河メイが対戦した鈴木みのるに嫉妬 他団体に移籍しない理由も明かした (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

【「お客さんが自分を肯定してくれる」】

 2023年10月16日、Best Brosは前王者組の負傷により返上されたアジアドリームタッグ王座の王者決定戦にて、新納刃&米山香織に勝利。再びベルトを巻いた。

 11月20日、新木場大会にて、Best BrosとCDKがベルトを賭けて対戦。メイとクリス・ブルックスの身長差は48cm。しかしメイは体格差を物ともせず、Best Brosはベルトを防衛。この試合は「我闘雲舞の最高傑作」と絶賛された。

「CDKとは、ひと言で言うとライバル。ひとりひとりへの思い入れがとても強い試合でした。特に高梨さんに関しては、さくらさんとはまた違う師匠だと思っているんです。さくらさんがプロレスの自由さを教えてくださったとしたら、高梨さんはプロレスの幹みたいな存在。そういう高梨さんと我闘雲舞のリングで、しかもベルトを賭けて闘えるということがとても嬉しかった。いろんな気持ちがあったからこそ、ああいう試合になったんだろうなと思います」

 メイは気持ちが100%試合に出るタイプだという。尊敬している人や、「この人には負けたくない」という人と闘うほうが、いつもより強くなれる。もっと強くなりたい。自分が強くなれば、我闘雲舞も強くなれる。その姿を後輩たちに見せるためにも、自分はもっと強くならなければいけないと考えている。

 今の一番の目標は、我闘雲舞の後楽園ホール大会を開催すること。モチベーションはそこに"全振り"しているという。

 世界中の団体が、天才・駿河メイを欲しがっているはずだ。しかし彼女は市ヶ谷でマットプロレスをするほうを選ぶ。オリジナルソング『りりりんGO!』を歌い、チョコプロのポロシャツを着てレフェリーを務め、流暢な英語で海外に向けて配信する。そんな我闘雲舞の日常を、彼女は愛している。

「自分がやりたいと思うことは、すべて我闘雲舞で叶えられると思っています。海外に行くというのも、今どんどん進出しているところです。『別の団体に行かないの?』って言われることもあるんですけど、私の叶えたいことは全部我闘雲舞にある。だからここにいます」

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