井上尚弥がフルトン戦の直前に「スパーやってくれない?」いとこ・浩樹が感じた恐怖 (4ページ目)
――フルトン選手に対してはどんな怒りがあったのでしょうか?
「尚弥のバンテージの巻き方について不服を示したことをはじめ、フルトンの態度や視線が見下しているような感じだったんです。尚弥を軽視する感じというんですかね。それもあって、計量の際のフェイスオフでは珍しく尚弥から近づいて、バチバチな感じになったんだと思います」
――フルトン選手が軽視していたのは、尚弥選手に対して「下の階級から上がってきた選手」という認識があったのでしょうか?
「それもあったでしょう。フルトンは階級が上で、2団体のチャンピオン。そして無敗。彼からすれば、『舐められちゃいけない』という気持ちの表れだったのかもしれません。でも、それが尚弥に火をつけてしまった。
だから心を折りにいったんでしょう。フルトンが使うL字ガードを多用したり、どんな局面でも完全に相手を上回るような闘いを見せたのは、やはり相当な怒りがあったから。お互いにリスペクトし合って、『よろしくお願いします』という雰囲気だったら、少しは試合の流れも変わったかもしれません」
【タパレスは簡単ではない】
<スーパーバンタム級 井上尚弥選手の主な対戦相手候補>
◆WBA&IBF世界王者マーロン・タパレス(31歳/フィリピン)40戦37勝(19KO)3敗
◆元2階級制覇王者 "悪童"ルイス・ネリ(28歳/メキシコ) 36戦35勝(27KO)1敗
◆元3階級制覇王者 ジョンリル・カシメロ(34歳/フィリピン) 37戦33勝(22KO)4敗
◆前WBA&IBF世界王者 ムロジョン・アフマダリエフ(28歳/ウズベキスタン) 12戦11勝(8KO)1敗
――尚弥選手は当面の間、スーパーバンタム級に留まることを示唆しています。次のターゲットは、WBA・IBF王者のマーロン・タパレス。その後の戦いで注目すべき相手は、誰が考えられますか?
「(ジョンリエル・)カシメロですかね。フルトンのように足を使い、距離を取って闘う選手ではなく、一発の爆発力があるファイタータイプ。何を打ってくるかわからないタイプのほうが嫌な感じです」
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