井上尚弥がフルトン戦の直前に「スパーやってくれない?」いとこ・浩樹が感じた恐怖 (5ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――タパレス選手に敗れて2団体王者から陥落したムロジョン・アフマダリエフ選手は、五輪銅メダリストで完成度も高いと思いますが、それよりも、カシメロ選手のほうが嫌なタイプ?

「何をやってくるのかわからない、という点ではそうですね。急に振り回してきたり、セオリーどおりの闘いをしない上に、スピードとパワーもあるので」

――ルイス・ネリ選手に関してはいかがでしょうか?

「ネリはスピードが無いので、尚弥に攻撃を当てるのは難しいと思います。それよりも、直近の目標に挙がっているタパレスは、動画で見る限りでは動きも柔らかいし、アフマダリエフを倒すだけあって強くなっていると思いました」

――タパレス選手との試合が予想される中で、尚弥選手が「圧倒的に有利」との見方も多いですが、タパレス選手を過小評価することは危険だと思いますか?

「はい、侮れない相手だと思います。むしろ、フルトンよりもタパレスのほうが怖い。倒すパンチもありますから」

――先の話ですが、尚弥選手がさらに階級を上げる可能性は?

「どうでしょうかね......。減量の様子を見る限り、現在のスーパーバンタム級が最も適しているのかなという印象です。でも、フェザー級でも十分に戦えると思いますよ。5階級制覇の可能性は、十分にあると思います」

【プロフィール】
■井上浩樹(いのうえ・こうき)

1992年5月11日生まれ、神奈川県座間市出身。身長178cm。いとこの井上尚弥・拓真と共に、2人の父である真吾さんの指導で小3からボクシングを始める。アマチュア戦績は130戦112勝(60KO)18敗で通算5冠。2015年12月に大橋ジムでプロデビュー。2019年4月に日本スーパーライト級王座、同年12月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。2020年7月に日本同級タイトル戦で7回負傷TKO負けを喫し、引退を表明したが2022年2月に復帰を表明した。17戦16勝(13KO)1敗。左ボクサーファイター。アニメやゲームが好きで、自他ともに認める「オタクボクサー」。

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