武尊の新たな挑戦。那須川天心に敗れてから1年ぶりの復帰戦で注目は「虎殺法」 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by 東京スポーツ/アフロ

 佐山との出会い、そして7代目タイガーマスクの襲名を、武尊は復帰戦への力に変えた。

 会見後の6月1日に、都内のジムで行なわれた公開練習。武尊は、これまでの試合でほとんど見せなかったバックスピンキックを披露した。この技について、「ローリングソバットです」と、初代タイガーマスクの必殺技であることを明言した。

「もともと空手をやっていたので、あの蹴りは得意技だったんです」

 そう話した武尊は、今でも初代タイガーマスクの試合をVTRで見ているそうで、「実戦で使える技だ」と見ていたという。再起戦で"虎殺法"が繰り出されるかにも注目が集まる。

 今後は、ONEのムエタイ世界王者、ロッタン・ジットムアンノン(タイ)との対戦が実現するかどうかが、最大の注目ポイントになるだろう。さらに、将来的にはさまざまな場所で「立ち技格闘技のW杯のような大会を開催したい」と公言するなど、乱立するキックボクシングの団体、ベルトを統一し、「真の世界最強」を決める大会の開催も見据えている。

 すべての夢、野望の実現に向け、とにかくサグデンを突破しなければ始まらない。世界へ進出する武尊を、ONEのチャトリCEOはメジャーリーガーの「大谷翔平のよう」と評したが、「大谷翔平ではなく、僕自身が世界の武尊になります」と力強く語った。

「6・24 パリ」で、武尊が紡ぎ出す新たなドラマから目が離せない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る