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入江聖奈「カエルはラブリーで尊い」。ボクシング継続を望む声にもキッパリ「きつい練習するのは私なんで」 (3ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 吉楽洋平●撮影 photo by Kichiraku Yohei

【ボクシングは麻薬みたい、カエルは尊い】

ーー 一番好きなカエルは?

 やっぱりヒキガエルです。高校時代、学校の帰り道でヒキガエルに出会ってからは、完全に心つかまれたというか......。ヒキガエルの口がかわいいんですよ! 本当に愛おしくて、どんな大きさでも好きなんですが特に大きいヒキガエルを見ると、よく生き抜いてきてくれたと思っちゃうんです。

 だってヒキガエルはおたまじゃくしから1歳になるまでの間に、大体死んじゃうんですよ。だから、あの茶色の、いわゆるヒキガエルの姿は、本当に奇跡に近いんです。ヒキガエルのすべてが本当に尊いんです。

ーーちなみに、ヒキガエルは飼っているんですか?

 はい、鳥取の実家で飼っています。もともと、「ジャイ子」の1匹だったのが今は2匹。「マルちゃん」が仲間入りしました。私に影響されたお父さんがカエル好きになって「マルちゃん」を拾ってきたんです。

 実家に帰った時に見てみると、みんな図々しいんですよ。「マルちゃん」なんて、本当にふてぶてしいです(笑)。私は家を空けちゃうことが多いので、実家でお父さんに面倒をみてもらっているんです。

ーーカエルについて、これからどんなことを学んでいきたいと考えていますか?

 今はヒキガエルの防御行動に対して、フォーカスしていきたいと思っています。ヒキガエルの防御行動は31種類あると論文に書かれていて、そのひとつにわかりやすいものでは「毒を出す」というのがあります。その毒の白い液体について研究してみたいです。

ーーあらためて、ボクシングとカエルについて、両者の魅力は?

 ボクシングの魅力は何だろう、負けたらボクサーとしての存在価値がなくなるかもしれないというプレッシャーがあると私は勝手に自分で考えちゃうんですよね。そういうプレッシャーを乗り越えて、勝利の瞬間に手を挙げられるのは、自分を証明できた気がするというか。だから「ボクシングは麻薬みたい」だとか言われるんだろうなと。

 カエルにしかない魅力は......。私はただカエルが好きで、守りたいっていうだけなんですよ。カエルからしたら、たぶんありがた迷惑だとは思うんですが(笑)。

 私を通じて、最近、カエルが目につくようになったとか、カエルが好きになったとか言ってもらえると、めちゃくちゃよかったなと思います。やっぱりカエルってけっこう気持ち悪いと言われることも多いので、もちろん苦手な生き物がいるのはしょうがないと思うんですが、カエル自体の個体数が減少しているなかで、興味を持ってもらえたらうれしいですね。

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