ブラウン管のなかの猪木はいつも怒っていた。「力道山への反発心というか、世界的なスケールで何かを成し遂げたかった」 (4ページ目)

  • 井上崇宏●文 text by Inoue Takahiro
  • photo by Hara Essei

 2022年10月1日、アントニオ猪木が亡くなった。

 あれだけ現況を晒していたため、その日は遠くないことを覚悟していた。だから、友人からのLINEで訃報を知った時は取り乱すことはなかったが、「猪木さん。本当にありがとうございました」と声に出してつぶやくと、自然と涙がこぼれた。

 別れが悲しいのではない。「アントニオ猪木と自分」という、キラキラとした美しいたくさんの思い出がよみがえることであふれ出た感動の涙だったのだ。
 
 猪木さん、本当にありがとうございました。

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