「BreakingDown」の魅力は「素人が元プロを倒すことも起きる面白さ」。CEOのYUGOが語る、ストーリーの重要性と見せ方 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

――最終的な意思決定をするのは?

「僕ですね。スペシャルアドバイザーの未来さんは、ヒットする確率が高いアイディアをすごい瞬発力で出してくれるので、それをどうやって形にしたらいいだろうと僕らが考えてGOを出す。このサイクルを高速で繰り返しています。失敗したら失敗したで、『次に行こう!』と」

――まずはやってみる、ということですね。

「そうですね。もちろん失敗することもいっぱいありますけど、本当の失敗は『何もやらないこと』。これは僕の持論なんですけど、失敗を恐れている人は少し自意識過剰なんじゃないかと思うんです。人は他人にそこまで興味がないと思っているので、周りの目を気にして失敗することを恐れる必要もない。人の記憶はバンバン刷新されますし、僕のことも『誰が気にしてんだ』って話ですから。

『BreakingDown』も、開催場所という点だけでもさまざまな議論がありました。例えばタトゥーが入った選手の出場がダメとなると、大会の性質を考えると出場者の選択肢が狭くなってしまう。『これが正解』という答えは出ないでしょうが、今後もトライ&エラーを繰り返しながら進化させていきたいです」

――総合プロデュースという立場で、『BreakingDown』のブランディングをどのように考えていますか?

「最初は『アマチュア大会をやろう』という感じだったんですが、今ひとつキャッチーじゃなかったので、プロやアマチュアとカテゴライズせずに『BreakingDown』というものに包括させようとなりました。

もっと細かいものだと、一時期まで『BreakingDown第1回大会』というように第〇回大会という呼び方していたんですが、僕はそれが嫌だったんです。世界展開を見据えると、その表記は『日本だけの大会』というイメージになっちゃうので、前回から『BreakingDown5』と数字が変わるだけのシンプルな表記に統一しました。こうしたちょっとしたことから、関係者や見る側の意識も変えられると思っています」

――BreakingDown4でオーディションを導入してから、だと思いますが、その経緯は?

「先ほど話した人間讃歌の部分、人間のストーリーを見せなくてはいけない、という部分はずっと課題でした。そんな時に『朝倉未来に勝ったら1000万円』(ABEMA)のオーディションを見て、『ガチンコ・ファイトクラブ』(TBS系で放送された番組『ガチンコ!』の名物コーナー)を思い出したんですよ。令和版の『ガチンコ!』を作れたら面白いだろうと思って、話し合いながら形にしていきました」

(後編:「BreakingDown」に否定的な意見も「むしろ欲しいくらい」>>)

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