「ぽっちゃりは、脇役じゃない。センターだ!」。まなせゆうなはガンバレ☆プロレスで自分の生きざまを見つけた

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • 林ユバ●撮影 photo by Hayashi Yuba

■『今こそ女子プロレス!』vol.5
まなせゆうな 後編

(前編:ゆうこりん全盛期に「デブ」と言われ自信喪失→リングで 「主人公」になるまでの軌跡>>)

 幼い頃から体型について心ない言葉を浴びせられ、自信を喪失していたまなせゆうな。今成夢人との出会いを通して、「自分が人生の主人公なんだ」と思い始める。

プロレス、プラスサイズモデルとしても活躍するまなせゆうなプロレス、プラスサイズモデルとしても活躍するまなせゆうなこの記事に関連する写真を見る 2020年7月、東京女子プロレスへのレギュラー参戦を終了し、7月26日、今成が所属するガンバレ☆プロレスに参戦。代表・大家健に「レギュラー参戦してください」と言われるが、これを断る。「私はガンプロの家族になりたいの!」――。つまり、ガンプロの所属選手になりたいということだ。大家は、まなせの申し出を快諾。まなせは晴れてガンプロの"家族"になった。

 それまでずっと、東京女子プロレスの仲間になりたくて、「東京女子プロレスらしくしなきゃ」と思っていた。しかし、「間違っていた」とガンプロに入団して気づいた。

「東京女子プロレスで活躍している選手は、東京女子プロレスらしい試合をしてるんじゃなくて、自分らしいプロレスをしている結果が東京女子プロレスなんです。わたしは東京女子プロレスっぽくしようとしていた結果、埋もれてしまってたんですよね」

 アクトレスガールズ時代に言われたことがある。「ゆうなは自分が売れることは考えるな」――。

「お前は前田敦子にはなれないんだから、AKBでいられることを考えなさいって。その頃は自信がなかったので、『AKBでいられるだけでありがてえ』って思ってました。AKBじゃないですけど(笑)。けど、ガンプロに来てから、私はAKBじゃなくて自分ひとりでステージに立ちたいと思った。だれかのためにそのグループにいるんじゃなくて、まなせゆうなでありたいんです」

 そう思えるようになったきっかけは、今成主催の「ぽっちゃり女子プロレス」だったという。

「私の中で今成さんの存在はすごく大きい。大人って言葉にしないじゃないですか。でも今成さんは、めっちゃ叫んでる。こんなに自分の気持ちを言葉にしていいんだって感じてから、自分もどうしたいかを考えるようになりました。私は何になりたかったんだっけ。あ、キャメロン・ディアスだ。なんで好きだったんだっけ。笑顔がめっちゃ素敵だからだ。......ああ、私は笑っていたいんだって気づいて、自分が面白いと思えること、笑顔でいられることをどんどんやろうと動き出したんですよね」

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