ゆうこりん全盛期に「デブ」と言われたグラビア界で自信喪失。まなせゆうなが明かす、リングで 「主人公」になるまでの軌跡 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • 林ユバ●撮影 photo by Hayashi Yuba

私は誰にも幸せを与えられてない

 2013年2月、スターダムに入門。初めて、ご飯を食べて褒められた。「身長の割にひょろっとしているのがよくない」と言われ、デビュー戦に向けてプロテインとご飯を食べまくった。体重は58kgから62kgまで増やした。

 2014年1月12日、新木場1stRINGにて宝城カイリ戦でデビュー。まなせ曰く「ボロボロだった」が、試合を観たロッシー小川は記者にこう言ったという。「こうやってスターは生まれるんだよ」――。

しかしその後、怪我で欠場が続く。2015年3月にスターダム退団を発表。同年、アクトレスガールズの旗揚げに参加するも、1年あまりで離脱。しかし、プロレスをやめようと思ったことはなかった。

「悔しかったんですよね。いままで大体のことができてたんですよ。でも、プロレスだけなにもできなかったんです。気持ちよく技が決まってたらやめてたかもしれないですけど、プロレスだけが一筋縄ではいかなかった」

 2016年12月、ミス東スポ2017特別賞を受賞する。そんなまなせが知人の紹介で新天地としてたどり着いたのは東京女子プロレスだった。とんとん拍子に話が進み、2017年3月よりレギュラー参戦する。

SNSが普及し、体型について叩くファンの声がダイレクトに届くようになった。新体操時代の食事制限で、2か月で80kgから65kgまで減量した。

「15kg落としたのに、一発目に来た仕事が(男性客限定大会の)野郎Zで、今成さんがぽっちゃり好きだからぽっちゃり同士を闘わせたいっていう仕事だったんですよ。わたし、15kg痩せてもぽっちゃりなら、もういいやと思って。ショックだったのを覚えてます」

 そんな今成が主催したのが、冒頭の「ぽっちゃり女子プロレス」。今成との出会いが、まなせを大きく変えた。彼女に今成は、「ありのままのまなせさんが素晴らしい」と言ってきた。観客も、他のだれでもない、"私"を応援してくれる。

「今成さんが言ったんですよね。『自分が主人公だから、自分のやりたいことをやる』って。今ならすごくわかります。人生は自分で動かすものだなって思います」

(後編:「ぽっちゃりは、脇役じゃない。センターだ!」>>)

【プロフィール】
■まなせゆうな
1987年11月11日、千葉県生まれ。170cm、75kg。5歳の時に新体操を始め、小学校1年生から6年生まで関東大会で優勝。高校2年生の時、芸能事務所にスカウトされ、グラビア活動を始める。2013年2月、スターダムに入門。2014年1月12日、新木場1stRING大会にて宝城カイリ戦でデビュー。2015年3月、スターダムを退団し、5月「アクトレスガールズBeginning〜プロローグ〜」でプロレス復帰。2016年12月、ミス東スポ2017特別賞を受賞。2017年3月より東京女子プロレスにレギュラー参戦。2019年7月26日、ガンバレ☆プロレスへの入団を発表。プラスサイズモデルとしても活躍している。

【大会情報】
「WRESTLE SEKIGAHARA」
■日時:2022年7月10日(日) 開場13:00 開始14:00
■会場:東京・大田区総合体育館
チケット先行販売 | WRESTLE UNIVERSE>>

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