井上尚弥に次ぐスター候補の中谷潤人。村田諒太vsゴロフキンの前にインパクトを残して「上の階級に」 (3ページ目)
山中慎介と相対して感じたこと
KOパンチャーとして評価を高める中谷は、中学卒業後、高校に進学しないことを選択。ボクサーとしての大成を目指し、10代半ばにして単身渡米した。インタビュー中盤は、そこから上り詰めるまでの経緯、参考にしている選手などについて聞いた。
―――これまでの格闘技歴を振り返っていただけますか?
「小学生の時にフルコンタクトの空手を始めました。ただ、空手は学年別でやることが多く、僕は体が小さかったので、サイズの大きい選手にはなかなか勝てなかったんです」
――そんな時、ご家族が三重県で経営するお好み焼き屋の常連さんにボクシングを勧められたそうですね。
「お客さんに『(体重制の)ボクシングがいいんじゃないの』と言われて。当時は格闘技をよく見ていましたが、初めて見たボクシングの試合は亀田興毅選手と内藤大助選手の試合だったと思います」
――そうして地元のジムに通い始め、中学2、3年生でU-15大会を連覇。中学卒業後のアメリカ行きにはさまざまな意見があったと思います。
「両親、家族がサポートしてくれたからできたことです。みんなが正しい方向に導いてくれたと思うので、それを証明するためにも結果を残していかないといけません」
――練習はアメリカでも行ないながら、プロとしてのキャリアは日本国内で重ねていきました。新人王、日本王者、世界王者と段階を踏んでいったことを振り返っていかがですか?
「最初は『新人王を獲りたい』という気持ちが強くて、それを果たしてからもいろんなトーナメントに出させてもらったおかげで強くなれたと思っています。急がず着実に、一戦一戦集中して戦ってくることができました」
――ちなみに、オフはどう過ごしているんですか?
「趣味は磯釣りです。試合が終わったら、けっこう行きますね。映画も好きですが、最近は『イカゲーム』など韓国ドラマも観ました。あんなに刺激が強い作品とは思っていませんでしたけど(笑)」
――ボクシングで参考にしている選手は?
「同じサウスポーの元世界王者だった、長谷川穂積さんと山中慎介さんです。長谷川さんは回転力、山中さんは左ストレートのタイミングやポジショニングなどを参考にさせていただいています」
――確かに山中さんとは、左パンチの強さという点で共通点があるように思います。
「実は先日、山中さんのYouTubeチャンネルに出させていただき、マスボクシングをやらせてもらいました。それまでは左の強打のイメージが強かったんですが、相対してみると、前の手、右のリードがいろいろな角度で飛んでくるのが印象深かったです」
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