井上尚弥に次ぐスター候補の中谷潤人。村田諒太vsゴロフキンの前にインパクトを残して「上の階級に」
4月9日、さいたまスーパーアリーナ。WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)がIBF同級王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)と激突する"メガファイト"のセミファイナルで、日本ボクシング界期待の星がリングに立つ。
WBO世界フライ級王者・中谷潤人(M.T)が、2度目の防衛戦で同級2位の山内涼太(角海老宝石)を迎え撃つ。24歳の中谷はプロ入り以来22戦全勝(17KO)。全日本新人王、日本ユース王者、日本王者と順調に階段を上り、2020年11月には世界初挑戦で王者になった。
挑戦者・山内涼太(左)を迎え撃つ王者・中谷潤人この記事に関連する写真を見る 昨年9月には渡米し、アリゾナ州で同級1位のアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)に4回TKO勝ち。その試合のインパクトも大きく、パワー、スキル、171cmの身長を備えたサウスポーは「井上尚弥に次ぐ日本人エース候補」と目されるようになった。
評価を急上昇させている中谷は、日本ボクシング界の歴史的な日に迎える山内との防衛戦をどう捉えているのか。じっくりと話を聞いた。
――昨年12月にクリスチャン・ゴンサレス(メキシコ)との防衛戦が発表されながら、村田対ゴロフキン戦の延期とともにキャンセルになりました。その後、仕切り直しでの山内戦が決まりましたが、調整は難しかったですか?
「延期になって一度ペースを落とし、また上げてきた感じです。試合がいつ決まるかはわからなかったですが、いつでもいける状態にしておきたいと思っていたので、その点はうまくやってこられたかなと。(コロナ禍以降に)何度も試合延期を経験してきたので、精神的にも逞しくなっていると感じます」
――相手の山内選手の印象は?
「アマチュアのキャリアがあって、戦績(9戦8勝7KO)でもわかるようにパンチ力がある。特に序盤はパンチを当てさせない意識が必要ですね。今回のような大きな舞台での試合では、相手も気持ちよく前に出てくると思いますが、近い距離、遠い距離でも自分がコントロールしていきたい。どんな距離でも戦えるのが僕の長所ですが、今回は遠い距離のほうがやりやすいかもしれません」
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