村田諒太がゴロフキンを追い詰めるためには? 7人の米識者が有効な攻め方を分析した (5ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

Q3 両者ともキャリアの終盤に差しかかっていると思うが、今戦の勝者はさらなるビッグファイトが可能な力を残しているか?

クーニー ゴロフキンが村田を下したとしても、次の相手がカネロならば相当に苦しい戦いになるはず。カネロは若く、波に乗っており、しかもゴロフキンが経験していないスーパーミドル級での戦いになる。条件的にはかなり厳しい。トレーナーのジョナサン・バンクスの助けを借りて、ボディ打ちの有効性を思い出すことでもない限り、ゴロフキンが今のカネロの牙城を崩すのは至難の業だ。

ドノバン ゴロフキンがカネロとのラバーマッチ(同一選手同士の3試合目)に臨んだら、何度も激闘になったパッキャオvsファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)のように、また接戦を演じる可能性はある。それでもGGGが、キャリアの"黄昏期"にいることは間違いない。私は村田のほうが余力を残しているとも感じている。村田がゴロフキンを下した場合、階級を上げるのは難しいとしても、ミドル級での統一戦が見えてくるはずだ。

キム 9月にカネロ戦が内定しているゴロフキンにとって、「どんな内容で村田に勝つか」が問われてくる。それによって、カネロとのラバーマッチへの期待感も変わってくる。一方、村田が勝ったとすれば、日本ボクシング史上でも最大級の勝利となるだろう。その場合、村田はミドル級の別の王者と統一戦を行ない、さらに大金を手にできるだろう。

ビレガス ゴロフキンは40歳になっても、カネロにとって難しい相手であり続けるかもしれないと考えている。ゴロフキンはこれまでのキャリアで、それほど多くのダメージを溜め込んでいない。彼の活躍をあと数年楽しめるとしたら、ボクシング界にとっていいことだ。

オハラ ゴロフキンはカネロとの第3戦で、すばらしい試合をすると見ている。

ナム ゴロフキンに関して、村田との戦いぶりから多くのことが見えてくるだろう。村田に勝てば、内定しているカネロ戦がキャリア終幕の一戦になるかもしれない。GGGはそれ以上、戦い続けることを望んでいないようにも思える。

 一方、村田も長くブランクがあったことを考えると、ゴロフキンとの試合が最後の一戦になっても不思議ではない。ただ、村田が勝った場合は"商品価値"を大きく上げることは事実だ。カネロは海外戦を望んでいることもあり、日本での村田戦が自然な形で現実味を帯びていくだろう。

フラーエンハイム ゴロフキンvsカネロの第3戦のPPV売り上げは、ゴロフキンが村田戦でどんな戦いを見せるか次第。豪快なKO勝ちを飾れば盛り上がるし、判定勝ちであればそうはならない。個人的には、現在のゴロフキンに5年前のようなパフォーマンスを望むべきではないと思っている。

◆井上尚弥に次ぐスター候補の中谷潤人。村田諒太vsゴロフキンの前にインパクトを残して「上の階級に」>>

【パネリスト】

●ジェイク・ドノバン:@JakeNDaBox

●スティーブ・キム::@SteveKim323

●マルコス・ビレガス:@heyitsmarcosv

●ライアン・オハラ:@OHaraSports

●ショーン・ナム:@seanpasbon

●ノーム・フラーエンハイム:@FrauenheimNorm

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