検索

ジュリアが木村花を思い、涙。「花の気持ちを無駄にしたくない。誹謗中傷には負けない」 (5ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

 この連載では、インタビューの最後に「強さとはなにか?」という質問をしている。2016年9月から『日刊SPA!』で掲載した男子レスラー編から数えると、これまで総勢25人のレスラーにこの問いを投げかけてきた。しかし、今回で最後にしようと思う。強さとはなにか――。それはインタビューをとおして浮かび上がってくるものであり、その選手の試合から感じ取るべきものであると思うようになったのだ。

 筆者にとって、思い入れの強い質問。この質問が、私を成長させてくれた。

――ジュリア選手にとって、強さとはなんですか?

「諦めない心です。諦めなければ、生きてもいられるし、笑ってもいられるし、リングに立って、受け身を取って、殴られて、意識を失ってももう一度立ち上がって、そこでやり切った時に"生きてる"って実感できるのが、プロレス。そういう気持ちを経験することが、自分の強さにどんどんプラスになってつながっていく。やめるのは簡単です。続けるのが一番大変。諦めない人が、私は一番強いと思います」

 今回で『最強レスラー数珠つなぎ・女子レスラー編』は終了する。しかし、諦めるわけではない。私は女子プロレスの記事を書くことを、女子プロレスの魅力をもっと多くの女性に広めることを、決して諦めない。女子プロレスのリングには、女の夢、努力、絆、嫉妬、生きづらさ、報われなさ、それでも諦めない心――つまり私たち女の"リアル"が詰まっているから。

(了)

※次回からは『今こそ女子プロレス!』と題し、今輝いている女子レスラーたちに引き続きインタビューを続ける。

【プロフィール】
■ジュリア
1994年2月21日、ロンドン生まれ。千葉市育ち。162cm、55kg。イタリア人の父と日本人の母を持つ。実家のイタリアンレストラン店長を経て、ヘアメイク専門学校に進学。2017年10月、アイスリボンでプロレスラーデビューし、2019年11月、スターダム入団。翌年1月4日、新日本プロレス・東京ドーム大会にタッグマッチで初出場。1月19日、朱里、舞華と新ユニット「ドンナ・デル・モンド」を結成。2月8日、ドンナ・デル・モンドでアーティスト・オブ・スターダム王座を戴冠。3月24日、STARDOM Cinderella tournament優勝。7月26日、第14代ワンダー・オブ・スターダム王者となる。2021年3月3日、日本武道館で行なわれた敗者髪切りマッチで中野たむに敗れ、丸坊主になり、ワンダー王座も喪失。4月4日、朱里とのタッグでゴッデス・オブ・スターダム王座を戴冠。
Twitter>>

【大会情報】
『YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Summer』
◆日程:2021年7月4日(日)/開場15:45/開始17:00
◆場所:神奈川・横浜武道館
詳しくはこちら>>

★本連載をもとに、女子プロレスと女の生き方に迫った、尾崎ムギ子最新刊『女の答えはリングにある』(イースト・プレス)の刊行が決定

「美しき狂気」ジュリア フォト集

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る