ジュリアが木村花を思い、涙。「花の気持ちを無駄にしたくない。誹謗中傷には負けない」 (2ページ目)
入団発表の会見では、席上に乱入した木村花と掴み合いの乱闘になり、12月24日後楽園ホール大会で一騎打ちが行なわれた。お互い感情むき出しで闘う、バチバチのファイトスタイル。かつての全日本女子プロレスを思わせるような魂の闘いが、そこにはあった。ジュリア自身、「全女を意識している」と話す。
「今の時代にない"闘い"が露骨に見えますよね。プロレスってそもそも闘いが一番大事というか、根底にあるのはそれじゃないですか。だけど、今の女子プロレスには闘いがないんですよ。それでは、いくら体を張って、身を削ってトレーニングして、危険なことをしてリングに立っても、だれの心にも響かないんじゃないのかな」
木村花と闘ったジュリアは、「やっと私、プロレスラーになった」と思ったという。翌2020年1月4日、新日本プロレス・東京ドーム大会に、木村とタッグで初出場(第0試合)。岩谷麻優、星輝ありさ組に負けたものの、4万人を超える観客の前で夢を見ているような気分を味わった。
「『なんでジュリアが出るんだ!』という批判もありました。試合もまだまだしょっぱくて、そりゃあ気にくわない人もたくさんいたと思います。その悔しさのほうが大きかった。『次に出る機会があったら、みんなに納得してもらえるような自分にならなきゃな』っていうスタートでした」
肉体改造を始め、練習に練習を重ねた。そして24時間、プロレスのことを考えるようになった。目に入ったものすべてに対して、「プロレスにつながるか?」と考える。人と会話をしていても、テレビを観ていても、なにかプロレスに使えるんじゃないか? 使えるものは全部使ってやろうと、ひたすらメモを取った。
1月19日、後楽園ホール大会で、朱里、舞華と新ユニット「ドンナ・デル・モンド」(DDM)を結成。ユニットで練習するようになったことが、ジュリアを大きく成長させた。
「朱里との練習は、ゲロを吐くまでやる。『今日の目標はゲロを吐く』という感じです。朱里はキャリアが長くて知識も豊富なので、得るものは多いですね。DDMはみんなそれぞれ違うところで育っているので、全員メニューが違うんですよ。自分が知らないものを取り入れ合うことによって、すごい相乗効果が生まれている。経験値や知識では、生え抜きの選手たちに負けていない。私たちのほうが、できることの幅は広いと思います」
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