井上尚弥に続くスター候補。米で「すこぶる評判がいい」日本人ボクサー2人 (2ページ目)
日本人選手の需要はもともと上昇傾向にあった。新型コロナウイルスによるパンデミック前、トップランク社、マッチルーム社、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)という、大手プロモーターによる選手獲得競争が激化していた。そんな中で、軽量級中心に多くの世界王者を生み出してきた日本マーケットにも目が向けられたのは必然だろう。
特にプロモーターのボブ・アラム氏が率いるトップランク社は、すでに井上、村田諒太(帝拳ジム)、伊藤雅雪(横浜光ジム)、平岡アンディ(大橋ジム)といったトップ選手たちを傘下に収めてきた。日本人ボクサーを重宝する理由はどこにあるのか――。ラスベガスに本拠地を置く同社のカール・モレッティ副社長にその理由を尋ねると、答えは明快だった。
「日本人ボクサーはいつでも準備ができていて、熱い試合をしてくれる。スター選手でも扱いが厄介ではないし、計量などで余計な心配をする必要もない。"プロフェッショナル"という形容がぴったりだ」
実際に、北米には"素行の悪い"ボクサーが少なくないが、日本人は規律正しく、問題を起こす可能性は低い。スター選手でも、大きすぎるエゴを感じさせることはほとんどない。計量失敗の例も極めて少なく、プロモーター側にとって信頼がおける存在なのだ。
また、闘争心と責任感があり、最後まで諦めずに戦ってくれる。中谷も話していた"ネバーギブアップ精神"のおかげで、多くの好試合が生まれる。さらに近年はパンチ力がある選手が増えた印象もあるため、需要はさらに増すかもしれない。
「パウンド・フォー・パウンドでもトップクラスの井上という看板選手が出てきて、日本選手全体の人気も高まるんじゃないかな」
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