伝説の「グレイシーハンター」誕生20年。みんな桜庭和志の虜になった

  • 佐瀬順一●取材・文 text by Sase Jun-ichi
  • 長尾迪●撮影 photo by Nagao Susumu

桜庭和志「グレイシー一族撃破」から20年(1)

 90分に渡る死闘として語り継がれる「伝説の桜庭和志vsホイス・グレイシー戦」から、今年の5月1日で20年が経つ。

ホイラー・グレイシーの腕を完全に極めた桜庭和志ホイラー・グレイシーの腕を完全に極めた桜庭和志 最近では新日本プロレスやプロレスリング・ノアに、スポット参戦する桜庭和志しか知らないファンもいるだろう。そういうファンには、現在DDTプロレスリングにレギュラー参戦している青木真也と同じように、桜庭は「プロレスに挑戦している格闘家」に映っているかもしれない。

 だが、実は順番が逆なのだ。

 桜庭はUWFインターナショナル(以下:Uインター)というプロレス団体でデビューしたプロレスラーだ。総合格闘技の礎(いしずえ)となったプロレス団体「UWF」から派生したUインターは、高田延彦という絶対的エースを擁した"格闘技色の強いプロレス団体"だった。

 そのなかで桜庭は、派手さはない職人タイプのイチ若手選手だった。

 そんな桜庭が最初に注目を集めたのは、1997年12月21日に横浜アリーナで開催された『UFCジャパン』だろう。

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