2021.01.02

堀口恭司が勝利を得た重要ポイント。朝倉海は「パニックになっていた」

  • 瀬川泰祐●取材・文 text by Segawa Taisuke

 2020年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN.26。1年を締めくくる大会にふさわしい好試合が続出したなかで、メインカードの朝倉海と堀口恭司によるバンタム級タイトルマッチは、日本中に大きな感動を与えた。

 両者は昨年8月にも対戦し、朝倉が1回1分8秒でKO勝利。しかし今回は、右膝の大ケガから復帰した堀口が1回2分48秒の劇的KOでリベンジを果たした。この試合の勝敗を分けたポイントはどこなのか。2000年代にPRIDEなど総合格闘技の世界で活躍した大山峻護氏に、大会を振り返ってもらった。

――まず、朝倉vs堀口戦を見た率直な感想を教えてください。

「コロナ禍でネガティブな気持ちになってしまった人が多い中で、今の格闘技界にできる最高のカードを見せることができたのは、とても大きな意味があったと思います。格闘技が多くの人に勇気や力を与えられることを教えてくれた試合でした」

昨年12月31日の堀口vs朝倉について語った大山氏 photo by Segawa Taisuke昨年12月31日の堀口vs朝倉について語った大山氏 photo by Segawa Taisuke ――2019年8月以来の再戦に臨む2人のメンタル面について、大山さんはどのように見ていましたか?

「2人とも最高の状態だったのではないかと思います。まず朝倉海選手は、前回の堀口戦のあとに『まぐれじゃないか』という声も聞こえてきた中で、それ以降も実力者を次々と倒して強さを証明しました。試合を重ねるごとに自信を深め、最高の状態を作っていたのではないかと思います。

 一方で堀口選手は、前回の敗戦時のインタビューで『よかったんじゃないですか。これでまたイチから強くなろうって感じです』と発言したのを聞いた時から、『常人のメンタルではないな』と思っていました。それまで積み上げたものを、当時は"期待のホープ"という印象だった朝倉選手に奪われる屈辱を味わったあとに、飄々(ひょうひょう)と、他人事のように受け答えができるタフさ。普通の選手にはできないですよ」