2019.12.22

海外識者4人が村田諒太の有利を予想も、
気になる「番狂わせ」の可能性

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yamaguchi Hiroaki/AFLO

 村田諒太(帝拳ジム)にとって"重要な通過点"と言えるゴングが間近に迫っている。12月23日、横浜アリーナで行なわれるWBA世界ミドル級タイトル戦で、同級正規王者の村田はスティーブン・バトラー(カナダ)と対戦する。

防衛戦に向けて調整を行なう村田 一度は苦杯を舐めたロブ・ブラント(アメリカ)との7月12日のリマッチで、完璧な形で雪辱を果たした村田。初防衛戦の相手となるバトラーは、世界的には無名だが、勝てばさらなるビッグファイト実現に向けて視界が開ける、重要な一戦であることは間違いない。

 一般的な予想どおり、村田が順調に階段を上がるのか。それともバトラーに番狂わせのチャンスはあるのか。アメリカ、カナダに本拠を置く4人の記者に、今戦に関する3つの質問とその後の村田の展開についての問いをぶつけてみた。ウェブ討論に参加してくれたパネリストの言葉から、この試合の意味と村田の現在地が見えてくる。

【パネリスト】

●ディラン・ヘルナンデス(『ロサンゼルス・タイムズ』のコラムニスト。語学に堪能で、英語、スペイン語、日本語を流暢に話す)

●ライアン・サンガリア(『リングマガジン』のライター。フィリピン系アメリカ人で、アジアのボクシングに精通する)

●フィリップ・セント・マーティン(『BoxRec』のカナダ担当。モントリオール在住で、カナダのボクシングを熟知する)

●ショーン・ナム(『USA TODAY』などで活躍する韓国系アメリカ人ライター。精力的な取材で構築したネットワークによるインサイダー情報に定評がある)

Q1 村田がバトラーに勝つためにやるべきことは?

ヘルナンデス パワーパンチャーの村田は、必要以上にアウトボクシングをしようなどとは考えず、いつもどおりねじ伏せようとすればいい。そういった意味で、ブラントとの2試合はいい勉強の場になったはずだ。パワーでは間違いなく村田に分がある。バトラーにはクイックネスがあるが、恐れるレベルではない。村田が持ち味を発揮すれば、勝利に近づけるだろう。

サンガリア 村田は村田らしく戦えばいい。ブラントとの第1戦での村田は少し待ちすぎで、手数が少なく、一発を狙い過ぎていた。しかし、リマッチでは切迫感が感じられ、うまくプレッシャーをかけていた。ブラントが自分から見て右に動いた際には左フック、左側に動いたときには右ストレートをボディに決めていた。細かい連打のあとに左右に動くバトラーの戦い方は、ブラントと共通点がある。ブラントとの再戦と同様に手数を増やし、バトラーが快適に戦えないようにすれば、村田は優位に戦えるだろう。