2019.07.11

今回の村田諒太は別人。スパーリング
パートナーが状態の良さに驚いた

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 前WBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳ジム)にとって、絶対に負けられない一戦が間近に迫っている。村田は7月12日、大阪でWBA世界ミドル級正規王者ロブ・ブラント(アメリカ)との再戦に臨む。

 勝てば再びミドル級のメインストリームに戻ることができるが、負ければ”限界”や”引退”といった言葉が囁かれることは必至。昨年10月に、判定ながら完敗を喫した相手に、33歳になった元五輪金メダリストはリベンジを果たすことができるのか。ここ数年の村田のボクシングを熟知するスパーリングパートナー、パトリック・デイに話を聞き、現在の状態と勝機を分析してもらった。

●パトリック・デイ(WBC米大陸スーパーウェルター級王者)
1992年8月9日生まれ 26歳
ニューヨーク州フリーポート出身
身長175cmのボクサータイプ。プロ戦績は17勝(6KO)3敗1分 。2017年5月20日に開催された村田諒太vsアッサン・エンダム(フランス) 戦前に初来日し、以降、村田の試合のたびにスパーリングパートナーを務めてきた。

ブラントとの再戦に向けて調整を行なう村田——今回はどのくらい日本に滞在し、何ラウンドのスパーリングを行なったんですか?

「4月27日に来日し、5月18日まで東京に滞在しました。村田のトレーニングに約3週間帯同し、だいたい40ラウンドのスパーリングをこなしました」

——村田選手の状態をどう見ましたか?

「すばらしかったですよ。私が知っている中では最高の状態です。モチベーションが非常に高く、ハードな練習を積み重ねていました。単にハードワークを続けているだけではなく、スキルが向上しているのが目につきましたね。これまでの彼はやや単調で、動きが硬い傾向がありましたが、今回はリズムがあり、流れるような動きをしていました。その調子のよさに驚かされたほどです」

——具体的に、どのあたりがこれまでと違っていましたか?

「パワーに依存しなくなっていました。従来の村田は右の一発強打が魅力の選手。しかし今回手を合わせた村田は、多くのジャブを突き、スムーズに動き、ディフェンスに気を遣い、鮮やかなコンビネーションを繰り出していました。頭をよく振って足を動かすなど、まるで別人のようでしたね。ハイレベルな試合では、やはりワンパンチの威力だけでは勝てない時もありますが、その点を考慮して改善を進めたのでしょう」