レスリング「非至学館」の熱戦に水を差す、栄・谷岡コンビの茶番劇 (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 理由は以下の通り。

「この大事な大会、選手に寄り添ってセコンドについてほしいと何度も要請したが聞き入れられず、友人(芸人の千原せいじ)と食事に出かけ、会場に招き、笑いながら観戦した。まったくわかっていない。この120日間、指導し続けてきたが、まったく反省が見られない。これでは世界選手権、オリンピックに向けて、ともに戦っていけない」

 もっとも、谷岡学長は6月14日の会見後、観客席で栄氏と談笑している姿が新聞やワイドショーで伝えられているのだが......。

 さらに谷岡学長は、5月24日に栄氏を減給処分にしたと話すが、「パワハラ問題は協会でのこと。協会が処分すべき」と断じ、学内での処分は「学園と学生に多大な迷惑をかけたから」と説明する。今回の解任については、すでに一部の選手・卒業生には報告し、吉田沙保里からも「至学館を守るためには仕方ない」との了承を得ており、レスリング部の今後の運営、指導体制については選手たちと話しあうと告げた。

 栄氏の監督解任は6月18日に開かれる学内の会合で正式決定する。教員資格等については、理事会、教授会で審議されるという。

 パワハラ問題の発覚後から多くのレスリングファンは、至学館の副学長であり、日本代表コーチを務める吉田沙保里の監督就任を待ち望んでいるが、その可能性は高い。だが、果たしてそれで至学館大は強さを維持することができるのか。

 言葉を選び、終始、その態度は低姿勢だった。だが、「至学館を応援していただいている多くの方々に感謝している。私の力が至らなかった」と繰り返したものの、谷岡学長からは最後まで自らの進退については一切、言及されなかった。

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