あのレスリング女王が衝撃の惨敗。伊調馨は「早く負けろ」と言っていた
わずか数年でコロコロと変わる、レスリングのルールと階級――。オリンピックや世界選手権でいくらメダルを量産しようとも、国民栄誉賞受賞者を続けて出そうとも、レスリングがなかなかメジャーにテイクオフできず、いつまでもマイナー扱いされている理由のひとつはそこにあるのではないか?
テクニカルフォール負けで試合後に号泣する須崎優衣 世界レスリング連盟が2018年1月から変更する新ルール・階級を、日本は強化のために先取りして今回の2017年度「天皇杯全日本選手権」(東京・駒沢体育館)から実施した。
オリンピック階級は男子フリースタイル、グレコローマンスタイル、女子スタイルとも各6階級のままだが、オリンピック以外での新階級は8階級から10階級へ。もちろん、階級区分も変わっている。
また、競技上のルールも、反則の規定や注意・警告が一部変更された。だが、そんなことに選手たちはもう慣れっこだ。
それよりも問題は、これまで各階級1回戦から決勝戦まで1日で終えた試合方式が2日間に分けられ、試合前日に行なわれていた計量が両日の試合前となったことだろう。過去に試合が2日間で行なわれていたのはアテネオリンピックまでで、当日朝計量は1986年までさかのぼる。
これにともない、日本レスリング協会は計量後の選手に食事を提供した。管理栄養士が作成したメニューをもとにケータリング会社に依頼し、おかゆ、白米、豚汁、タラの煮付け、スクランブルエッグ、肉団子、卵豆腐、納豆、バナナ、ミカン、ホットコーヒーなどを館内のカフェテリアに並べ、選手にビュッフェ方式で振る舞った。
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