2018.03.06

田口良一を支えた怪物との激戦。
「相手は井上尚弥より強いはずがない」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 写真●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

【田口良一が語るV10と井上尚弥 後編】

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 2013年8月、ライトフライ級の日本チャンピオンになったばかりの田口良一は、後に世界最速で2階級制覇を達成する井上尚弥を挑戦者に迎えた。

 メディアが注目していたのは、高校生でアマチュアのタイトルを総なめにした”怪物”の圧勝劇。しかし試合は井上のキャリア初となる判定にもつれこみ、敗れはしたものの、田口の実力はボクシングファンに再認識されることになった。

 田口はその一戦からさらなる成長を遂げ、WBA、IBFのタイトルを手にする。その活躍を支えた井上との激戦の記憶、そして3団体目のタイトル獲得への意欲を聞いた。

2013年の日本ライトフライ級で相対した田口(左)と井上(右)──田口選手は年末にWBA、IBFを統一しましたが、ライトフライ級にはあと2人の王者がいます。さらなる統一戦への興味はありますか? 

「あとの2人は、WBOのアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)とWBCの拳四朗(BMB)ですね。どちらも強い選手で意識はしています。昨年の大晦日に戦ったミラン・メリンド(フィリピン)も、同年の5月に八重樫東(大橋)さんに勝ってから気になっていましたけど、彼らとも『時がきたら』と思っています。さらなる統一戦が実現したら、世間の反応も大きくなるじゃないですか。そういった面白い試合をやっていきたいと常々思っています」

──同じ日本人であるWBC王者の拳四朗選手の印象は? 

「距離感に秀でていて、ジャブが力強い。しっかりと考えてボクシングをする”クレバー”な印象もあります。ああいう選手は、見ただけでは強さがわかりにくい。実際にやるとなれば手強い相手なのは間違いないですね」

──対して、WBO王者のアコスタの特長は、やはりパワーでしょうか。 

「確かにパワーはすごいです。去年の田中恒成(SOUL BOX畑中)戦でダウンを奪われた後も、最後まで『なんとかしたい』という思いが前面に出ていたので、気持ちも強いでしょうね。ただ、その試合では大振りも多かった。距離を間違えず、空転させれば勝機はあるんじゃないかと思います」