井上尚弥の米国デビューに異例の注目。ロマゴンをビビらせるKOなるか (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 山口裕朗/アフロ●撮影 photo by AFLO

 7月に三浦隆司、8月には亀海喜寛がロサンゼルスで試合を行なったように、最近では日本人ボクサーの"米リング登場"は珍しいことではなくなった。『HBO』『Showtime』 といったアメリカのプレミアケーブル局は、常にトップコンディションで、最後まで全力を尽くす日本人ファイターの商品価値に気づき始めたようだ。

 その中でも、井上は別格。今週末のニエベス戦も、ボクシング界の一大ブランドとなったHBOが華々しくプッシュしている。過去、アメリカデビューがこれほど話題となった日本人ファイターは存在しない。

 この試合で順調に勝ち、その後も実力を証明し続ければ、さらに夢は広がる。現在のスーパーフライ級には、4階級制覇を達成したローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、そのゴンサレスからタイトルを奪ったWBC世界王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)、元WBC王者カルロス・クアドラス、かつてゴンサレスと激闘を繰り広げた元WBO世界フライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)といったタレントが揃っている。

 9月9日にはこの強豪たちがロサンゼルスに集結。メインイベントのソールンビサイvsゴンサレスだけでなく、井上vsニエベス、クアドラスvsエストラーダというトリプルヘッダーをHBOがすべて生中継するのは、「近い未来に、この3戦の勝者たちに潰し合いをさせたい」という思惑があるからに他ならない。"軽量級最高峰の一戦"として待望されてきたゴンサレスとの試合をはじめ、井上が今後、多くのビッグファイトの主役になっても不思議ではないのだ。

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