井上尚弥の米国デビューに異例の注目。ロマゴンをビビらせるKOなるか
「あの"ナオヤ・イノウエ"という選手は本当に素晴らしいな。(アメリカ東海岸は)早朝の時間だったけど、本当に目が覚めるようなKOだったよ」
2015年の年明けのこと。ニューヨークでその年最初の興行が開催された1月9日のマディソン・スクウェア・ガーデンで、多くのボクシング記者からそう声をかけられたことが忘れられない。あの日、「君の国からものすごいボクサーが出てきたな」という褒め言葉をどれだけ聞いただろう。
6月の記者会見で互いに健闘を誓った、井上尚弥とローマン・ゴンサレス 2014年12月30日に行なわれた井上尚弥(大橋)vsオマール・ナルバエス(アルゼンチン)戦のインパクトはそれほど大きかった。デビューわずか8戦目の若者が、WBO世界スーパーフライ級王座を11度も守ってきた2階級制覇王者を木っ端微塵にしてしまったからだ。
世界的には"興行枯れ"になる年末に開催されたため、必然的にボクシングファンの目は日本に集中し、この試合の映像は瞬く間にネット上を駆け巡った。井上は世界的な"YouTubeセンセーション"となり、ワールドワイドにその名を知られることになった。
あれからもう2年半以上――。現地時間9月9日に、井上はロサンゼルスにあるスタブハブセンターのリングに上がる。「SuperFly」と銘打たれた興行のセミファイナルで、17勝(9KO)1敗のアントニオ・ニエベス(アメリカ)と6度目の防衛戦を行なう。ボクシングマニアを震撼させてきた"モンスター"が、ボクシングの本場アメリカのリングに立つ日がやってきたのだ。
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