【柔道】復活優勝の浅見八瑠奈。苦悩の1年を支えた言葉とは?
日本柔道界が暴力・パワハラ騒動を発端にいまだ揺れ続けるなか、全日本体重別選手権が5月11日、12日に開催された。今回、ロンドン五輪代表選手の出場は男女12階級で6名のみ。ロンドン五輪惨敗からの立て直しを期する女子軽量級では、実力者が期待どおりの結果を残して今年8月の世界選手権へ向けての好スタートを切った。
柔道の全日本体重別選手権、女子48kg級で優勝した浅見八瑠奈 その先陣を切ったのは48㎏級の浅見八瑠奈だった。五輪代表を狙った昨年は、前年まで「絶対有利」の勢いを見せながらも、大会直前には眠れなくなるほどのプレッシャーにさらされて1回戦で敗退。優勝した福見友子に代表の座を奪われた。
そのショックは大きかった。
「愛媛の実家に帰った時は、心配をかけたくなかったから家族の前では平静を装って自分の気持ちを悟られないようにしていたんです。それでもみんな、私の気持ちはわかっていたと思う......」
そう話す浅見は、2012年8月の全日本実業団で再び畳に戻って優勝。さらに11月には講道館杯、グランドスラム・東京大会で優勝。今年2月のグランドスラム・パリ大会でも優勝し連覇を果たした。
だが、世界選手権では2回優勝していながら、全日本体重別は10年と11年の2位が最高で優勝はしていない。だからこそ、再出発は体重別初優勝から、という気持ちが強かった。
1回戦は"指導"の数の差で優勢勝ち。準決勝は先に相手に指導を受けさせながらも攻めきれず、グランドスラム・パリ大会から試合間隔が開いたこともあって動きは硬かった。残り17秒で大外刈りを決めて一本勝ちしたものの、波に乗り切れないでいた。
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