誹謗中傷を受け続けたストリーマーはつめ。女性がプロゲーマーになりたがらない本当の理由とは (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 廣瀬久哉●撮影 photo by Hirose Hisaya

 はつめが、誹謗中傷に対して自分なりの耐性を作り出すことができたのは、自身の性格が「相当プライドが高いし、完全に気持ちが吹っ切れているから」と分析するが、自分のIDを公表したくないと言う女性たちの思いもわかる。

 容姿を卑下するコメント、実力を疑うコメント、負けを嘲笑するコメントなどは、断じて許すべきものではない。彼女が感じた、誹謗中傷をする人の根底にあったのは、ほとんどが女性蔑視だったという。

「ゲームセンターのコミュニティーなど、ある種泥臭い男だけの世界が好きという人が一部いると思います。その人たちにとって、そのコミュニティーに女性がいることで、何かを壊されたと感じる人たちがいたのではないでしょうか。

 それから、単純に女性よりも弱いと認められない人たちが騒いでいる時もありました。本当に女性が弱かったら、何も言われないんですよ。多少強かったりすると、言われるんです。今になって思うと、8割は嫉妬だったんだなと思います」

 誹謗中傷の根源にある女性蔑視。eスポーツは老若男女、障がいのある人でも楽しめるスポーツとして今注目を集めているが、このような状況を踏まえると、誰にでも薦められ、心身ともに好影響をもたらす健全なスポーツだとは言い難い。

eスポーツの健全性

 ただ、そもそもeスポーツに健全性は必要なのだろうか。この質問を、はつめにぶつけてみた。

「本当に正直に言ってしまうと、eスポーツに健全性を求めると、成り立たなくなってしまう部分があると思います。サブカルチャー的で、アングラなところが好きだからゲームをやり始めた人が私の周りではすごくいっぱいいます。そこに健全性をぶつけたら、消滅しちゃうよねというのを、プロゲーマーの方と真剣に話をした記憶があります。そうなると寂しいなと思います」

 そして健全性を保てないひとつの要因として、収入面を挙げた。

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