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ゲーム依存症と障害防止の最前線。ゲームでリアルスポーツに好影響も (2ページ目)

  • text by Sportiva

 ただひたすらプレーし続けるのではなく、フィードバックの時間を設け、じっくりと分析し、次の試合に備える。これはeスポーツに限らず、リアルスポーツでも同じことが言える。逆に言えば、試合後に修正・改善がなされなければ効率よく上達することはできない。さらに神田氏はゲーム障害にならないために特に重要なことを教えてくれた。

「生活のサイクルがとても大切です。eスポーツやゲームをやる場合、海外と対戦したりするため、深夜帯に行なう人が多くいます。そうすると、昼夜逆転の生活サイクルになりがちです。長期休みの前には必ず保護者に対して、昼夜逆転にならないようにと伝えています。そのためには朝昼晩、三食きっちり食事を摂るようにして、夜は寝る。そして適度に運動をする。まずは子供がゲーム障害になりにくい生活環境を大人が作っていくことが大切です」

 生活のサイクルを整え、プレーする時には連続で行なわず、定期的に休みを入れたり、分析する時間を取る。それがゲーム障害予防の一つの解と言えるだろう。

 このゲーム障害のようにeスポーツにはネガティブな意見が根強くあるが、ゲームによって養える能力もあると言われている。横浜商科大学で「eスポーツを使った認知スキルのトレーニング」を研究する永野智久准教授はこう語る。

「eスポーツは競技として扱われるタイトルが多種多様なうえに、毎年ゲームのレギュレーションが変わったりします。それに乗っていかないと淘汰されていくので、レギュレーションにしっかり対応していく適応能力が養われます」

 これまでもゲームは数多くリリースされ、人気のゲームは早ければ1年に1回、シリーズの新作が発売される。さらに最近のゲームは、インターネットを介して頻繁にアップデートが行なわれる。機能が追加されたり、操作性が向上したりと、プレーヤーはその都度、頭を切り替えなくてはいけない。トップシーンで活躍しているプレーヤーたちにとっては、レギュレーションにいかに素早く適応するかが一つのカギを握る。つまり常に上位で活躍できているプレーヤーは、高い適応能力を有していると言っても過言ではない。

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