ゲーム依存症と障害防止の最前線。ゲームでリアルスポーツに好影響も (3ページ目)
また「ゲームをやると目が悪くなる」とよく言われるが、永野氏はeスポーツと目の関係について興味深い発言をした。
「eスポーツをやることで、視力以外の視機能が上がるというのは間違いありません。いわゆるリアルのスポーツ選手でいう、反応速度、状況の変化をいかに素早く察知できるかという能力が上がります」
より詳しく説明すると、ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)と言われる、操作するキャラクターの視点で行なうシューティングゲームをプレーすることによって、視機能の一つで濃淡の変化を見分ける能力、コントラスト感度が向上することがわかっている。これにより、より素早く効率的に状況を把握することができるようになり、その効果がゲームをしなくなった後も数カ月持続するという。さらに永野氏はeスポーツがリアルスポーツに与える好影響についても期待を寄せる。
「レーシングゲームの『グランツーリスモ』は実際のレースと親和性が高く、事実ゲーム出身のレーサーも出てきています。またウイイレ(『ウイニングイレブン』)や『FIFA』のようなサッカーゲームは、目的をしっかりと持って活用すれば、普段ピッチ上で行なっているコーチングと同じようなことがeスポーツでもできます。今はゲーム上でも11人のチームを組んでプレーできますので、認知・判断、チームのコミュニケーション、戦術・戦略的なところもオンラインでトレーニングできるでしょう。またプレーヤーのビューにカメラモードを変換することができるようになれば、より実際のプレーにいい影響を与えると期待されます」
永野氏は「eスポーツをやることによってリアルスポーツの上達を阻害するようなネガティブな要素は逆に見当たらない」と断言する。eスポーツがリアルスポーツの現場で活用される未来がすぐそこまで近づいているのかもしれない。
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