駅伝ランナーは春先に何をしているのか?『月報・青学陸上部』スタート

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun  photo by Kyodo News

極私的! 月報・青学陸上部 第1回

3月、大分で走り込んだ青山学院大陸上部。右奥に選手を見守る原晋監督3月、大分で走り込んだ青山学院大陸上部。右奥に選手を見守る原晋監督

「今のペース!28分台望みあるから」

 瀧川大地コ-チの声が飛ぶ。梶谷瑠哉(2年)が歯を食いしばり、汗を飛ばしながらトラックを駈ける。

 日体大長距離競技会が行なわれた健志台陸上競技場のトラック周辺はちょっと不思議な光景になっていた。各大学の陸上部部員や実業団の選手たち、関係者、コ-チらに加え、OBや家族連れ、カメラを持った若い女の子たちが使用していないレ-ンに立ち、走っている選手の写真を撮影したり、選手に声を掛けたりしている。ピリピリした競技会という感じではなく、牧歌的な雰囲気の中で選手が走っている感じだ。

 さっきまで吹いていた強い風は10000m最終組のスタ-ト前にピタリと止まった。「日体大マジック」と呼ばれる現象だ。風が強いとそれだけでタイムに2、3秒のロスが出る。記録会なので1秒でも良いタイムを出すことが目標になるが、風が止み、夜のスタ-トゆえに暑さもない。走るコンディションとして上々だった。

 最終組には青山学院大学陸上競技部から5名の選手が名を連ねていた。富士通やホンダの設楽雄太ら実業団の強豪選手ら51名に交じってのスタ-トだ。

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