【男子バレー】SVリーグ開幕節で殊勲のエバデダン ラリー 「気持ちの持ちようが変わりました」 (3ページ目)
この日は、ブロックの間にスパイクを打たれる場面が何度かあった。新戦力を補強し、コンビネーションを作り直しているだけに、現段階では致し方ないだろう。しかし、彼はその責任からも逃げなかった。
「あれはミドルの責任問題で......詰めるべきところはこれから詰めるべきだと思います。まずはチームとしてレシーブとの連係で抑えながら。ブロックの間にレシーバーが入るべきだったか、少し対策不足だったし、そこの柔軟性が足りなかったかなと思うし」
ラリーはそう言って課題と向き合った。自分を高く見積もらず、相手をとことん警戒し、味方をリスペクトする。どんなに成長を遂げても、それはミドルブロッカーの原点だ。
そこで最後に聞いた。
――ラリー選手は、この1年近くで著しい進化を遂げてきました。2年後にはロス五輪があります。前回のパリ五輪では本大会メンバーを逃し、サポートメンバーで見守る悔しさも感じたはずですが......。
「自分は"未来のことを描きながら"というよりも、"日々を積み重ねて"結果的にその場に立てるようにしたい、というか......。未来の自分が、"やっておけばよかった"と思わないように、毎日を繰り返すことが大事ですね。それが一番の近道になるのかなって」
――では2年後の自分にメッセージを送るとすれば?
「うーん、『やっておけばよかったと思わないようにするので、信じて待っていてね!』って感じですかね?」
彼はそう言って優しく口元を緩めた。未来の自分との約束だ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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