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【男子バレー】清水邦広から見た石川祐希は「なかなか調子が上がらなかったが......」 激化する正セッター争いも語った (2ページ目)

  • 市川忍●取材・文 text by Shinobu Ichikawa

――イタリアで長くプレーする石川選手が牽引し、日本男子が世界と戦えるチームになったことは間違いないと思います。一方で、今大会で強豪国と渡り合えている要因として、アントワーヌ・ブリザール選手(フランス代表/大阪ブルテオン)やトリー・デファルコ選手(アメリカ代表/ジェイテクトSTINGS愛知)といった、世界トッププレーヤーがSVリーグに在籍していることも挙げられるでしょうか?

「それはすごく感じます。世界のトッププレーヤーがSVリーグに多くなっていて、そのプレーを身近で見ることで"名前負け"しないというか、強豪国への怖さを感じなくなっているように思います。僕が代表でプレーしていた時代は、アメリカやフランス、ブラジルといった世界ランキング上位国と戦う時は『怖いな』という感覚がありました。でも、今はそれがまったく見えません。フラットな精神状態で試合に臨めていると思います」

【セッターはメンバー選考から激しい争いに】

――先ほど、セッターの深津選手の名前が出ましたが、清水さんはパナソニックパンサーズ時代や、日本代表でも長く一緒にプレーしていましたね。その後、ウルフドッグス名古屋に移籍しましたが、何か変化を感じますか?

「深津選手とはすごく長い間、一緒にバレーボールをしてきましたから思い入れが強いです。リオ五輪の最終予選のあと、代表を離れる時間があって約4年ぶりの招集となりましたが、その間も国内リーグでしっかりと地に足をつけてプレーをしてきた。そしてベテランになり、今は経験を生かした戦い方をしています。

 年齢を重ねながら成長していった選手なので、代表で再び活躍する姿を見るのはうれしいです。コート内でも精神的な支柱になっているので、キャプテンの石川選手が背負ってきた精神的な負担も少し和らいでいるのではないでしょうか」

――プレー面、トスも徐々に進化していったんでしょうか?

「僕と一緒にやっていた若手時代は、これは僕が悪かったのですが、『困った時には全部、俺に(トスを)持ってこい』と言い続けていたんです。だから、彼がミドルブロッカーやパイプなど真ん中の攻撃を使いたいと思っても、僕の圧が強すぎてライトに上げざるを得なかった場面があったんじゃないかと(笑)。それが彼の能力、プレーの幅を狭めてしまっていた部分があるかもしれません。

 ただ、次第にスパイカーの使い方の幅が広くなって、コート中央の攻撃、特にパイプ攻撃が多くなってきていると思います。サイドの選手からすれば、真ん中の攻撃が決まれば両サイドのブロックマークが薄くなるのでありがたいですし、相手からすれば的を絞りづらいですよね。

それと、以前までの深津選手は、20点以降の1点ビハインドといった場面ではエースに上げることが多かった。それが、今ではクイックを使ったり、パイプ攻撃を使ったりしています。『勝負師だな』と思いますね。強気のトス回しが、日本代表でさらに輝きを増しています」

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