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【女子バレー】佐藤淑乃が見せた前向きの「執念」 ポーランド戦の大逆転勝利を引き寄せる (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【サービスエースでチームに流れを】

「今シーズンは世界一を目指してやっているので、その戦いを基準にして......」

 佐藤は野心的に言う。逆転勝利を収めたポーランド戦、象徴的なシーンがあった。

 佐藤は第2セットの7-7から、一度はバックアタックをブロックで止められている。得意の一撃をシャットアウトされたとき、アタッカーは試されるものだろう。直後、佐藤はもう一度、トスを呼び込み、人生を切り拓くような豪快なフォームで得点を決めた。少しも躊躇わず、むしろ奮い立つような感情が漂った。結局、そのセットは大差で落としたのだが、その執念が逆転劇につながったのではないか。

 4セット目の4-4の場面で、佐藤は自らの一撃でサーブ権を奪うと、そこから自らのサーブでブレイクし、7-4と突き放した。3本のエースを記録し、完全にチームに流れを引き寄せている。そして勝負がかかった5セット目もエースを決め、劇的な逆転勝利を演出したのだ。

 彼女が受けた重圧は尋常ではなかっただろう。

 試合後、キャプテンで同じアウトサイドヒッターの石川真佑がコートインタビューで、「(2セットを取られて絶体絶命になり)『ここを勝てば強くなれる』とみんなと話して。セットごとに......」と語って言葉が続かず、声を詰まらせ、目を潤ませていた。アタッカーは、「決めなければ敗退」という忍び寄る恐怖と向き合っていたのだ。

 佐藤も取材エリアでは涙を流し、すべてのエネルギーをこの一戦で使い果たしたように映った。歓喜よりも安堵のほうがこぼれ出た。コート上の戦いは神々しいほど勇敢だった。

 今回のネーションズリーグで、佐藤は守備面も課題に挙げていたが、着実な成長を示している。ポーランド戦も、レセプション(サーブレシーブ)はチーム最多の11回の成功。ディグも7回とチーム3番目の成功数だ。守備力の向上は、日本が世界を戦い抜く上で大きな収穫と言える。

「パスの精度が上がった」

 フェルハト・アクバシュ監督にも、そこを評価されていた。

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