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【男子バレー】世界クラブ選手権のベストリベロ、山本智大の矜持「コンスタントにプレーできるのが自分の強み」 (2ページ目)

  • 小宮良之⚫︎取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

【山内晶大、石川祐希と深夜までバレー談義】

 山本はそう冗談を言った。世界の名だたる選手たちから一目置かれることは、リベロとして技を磨いてきた山本にとって勲章だ。

「そうは言っても、イタリアのセリエAではコートに入れる外国籍選手が3人までなので、そこで(外国籍の)リベロを取るか。現実的には、イタリアは難しいかなと思います。でも、世界クラブ選手権のような大きな大会で刺激を受けることができて、よかったですね」

 現地では同じ日本代表の山内晶大と同部屋で、そこにペルージャの石川祐希がやって来て、深夜までとことんバレーボールの話をしたという。

「表彰式が終わり、彼が部屋に来たので、0時から3時までずっと話していましたね(笑)。彼もバレーについて話すのが好きだし、(年齢が)ひとつ下の僕は信頼されているのか、パリ五輪のときも、いろいろ彼の話を聞いていました。彼自身も悩んで心の拠りどころが必要だったというか。いつか日本でも一緒にやりたい。そんな思いもありますけどね」

 山本は屈託のない表情で、そう明かした。その本質的な明るさが、チームを救うことがよくある。勝利を信じるポジティブな姿勢が、チームのエネルギーに変換されるのだ。

「周りには『その笑顔、作っているの? わざと笑っているんでしょ?』とか、よく言われるんです。いやいや、自然にバレーを楽しんでいる笑顔ですよ。シンプルにバレーが楽しくて、こみ上げてくるものなんです。

 自信を持ってプレーし、駆け引きに勝って、相手の渾身の一撃を拾う。まさにリベロをプレーする楽しさで笑顔になる。コートでは、すべての瞬間を楽しんでいます」

 世界最高のリベロのスマイルを間近に見ていると、救済の人の慈悲を感じる。一方で、守備者は葛藤も抱えているものだ。いくら拾っても、バレーボールにおいて、守備が正当に評価されることは少ない。どんなボールスポーツも例外なく、得点のほうが目立つし、失点は"どうして防げなかったのか"となりがちだ。

 昨シーズンのSVリーグ・チャンピオンシップ準決勝で敗れた後、山本は記者会見で「どうして他の人のボールを取る工夫をしなかったのか」という趣旨の質問を受けた。その時、山本にしては珍しく苦虫を噛み潰した表情で、感情を抑えているようだった。守備者の自負心が蠢(うごめ)いていた。

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