【男子バレー】髙橋藍が語るトルコ戦の「逆風」 「敗北から強くなれると思っている」 (3ページ目)
勝負師の明朗さがある髙橋は、敗北に囚われず、すでに次の算段を整えていた。
――次の(15日)カナダ戦は負けられなくなりましたが、どんなメンタルの作り方で挑みますか?
筆者が訊ねると、彼は少し思案する仕草をしてから言葉を紡いだ。
「そうですね......やるしかないって思っています。自分たちがやってきたことを出すのみ。試合のなかでも成長できると僕は思っているし、それが自分たちの強さにつながっていくと思うので。カナダは間違いなくいいチームで、いいサーブ、いいブロックがあるので、そこに対して日本はスマートに戦っていけるか。(1次リーグの残り)2試合勝つしかないので、しっかりと気持ちを切り替えて」
髙橋は明るい表情を浮かべて言った。暗さは似合わない。逆境で反撃する強さは、彼のもうひとつの代名詞だ。
「引きずっても仕方ない。やるしかないと思っています!」
自らを叱咤するように言って、取材エリアを出てからファンゾーンに入ると、まるでロックスターが登場したような大歓声を受けていた。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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