女子バレー日本代表がネーションズリーグ千葉大会へ 新エース候補の佐藤淑乃ら注目選手は? (2ページ目)
その後も佐藤は、コンスタントにふた桁得点をマークしている。2024―25 シーズンのSVリーグでは日本人選手最多得点を挙げ、堂々の最優秀新人賞を獲得。日本女子バレーをけん引するエースとなるべく一歩を踏み出し、その力を代表でも発揮している。
一方の和田も、ここまで目覚ましい活躍を見せている。代表デビューイヤーとなる2023年のネーションズリーグでは、一試合32得点(2023年6月17日vs.アメリカ)を叩き出すなど得点力の高さは以前から証明済み。強烈なアタックとサーブ、勝負強さも備え、今大会でも予選ラウンド第2週を終えた時点でチームのトップスコアラーだ。
チーム最多の29得点をマークして逆転勝利に導いたタイ戦後、「まずは点をとることが自分の仕事。なかなか全員がリズムに乗れずに理想的な攻撃ができなかったなかでも、自分の役目を果たせたかなと思います」と語る口ぶりは頼もしかった。
戦術的なサーブから相手の攻撃を絞り、ブロックとレシーブの関係性を構築することで相手に決定機を許さず、そこから自分たちの攻撃を仕掛けるのが日本女子の戦い方。しかし勝利を手繰り寄せるためには、やはり海外の高いブロックをいかに攻略するかがカギとなる。その点で現在は、石川、佐藤、和田のサイドアタッカー陣の得点力は大きな武器となっている。
【国内組と海外組、各々の経験値が融合】
サイドアタッカー以外のメンバーでいえば、ミドルブロッカー陣はパリ五輪に出場した3名にベテランの島村春世(ペッパー貯蓄銀行AIペッパーズ/韓国)を加えた4名が中心。セッターは関菜々巳(ブスト・アルシーツィオ/イタリア)が一番手を担い、リベロは試合に応じて起用される選手が代わるという具合だ。
そうしたなかでも確かなのは、選手たち個々の経験値が、ひとつの武器として女子日本代表に備わっているということ。
今年から指揮を執るフェルハト・アクバシュ監督は大会前の会見で「SVリーグの質が上がっていますし、特にリーグのファイナルを戦った選手たちはとてもすばらしいパフォーマンスを披露していて感銘を受けました。国内組の経験は、チーム(日本代表)の勝利に貢献してくれるでしょう」と語った。実際に、リーグ優勝を果たした大阪マーヴェラスからはリベロの西崎愛菜が代表に選出され、ネーションズリーグにも出場。佐藤や和田も悔しい準優勝ながら、ファイナルを戦った面々である。
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