宮部藍梨が日本女子バレーに抱く危機感と今後 「何歩も男子バレーの後ろにいる、と露呈したのはいいこと」 (3ページ目)
男子と女子、同じバレーボールとはいえ、それぞれ異なる問題があり、解決策も違う。だからこそ、言われるがままに動くのではなく、考えて動きたい。シンプルな言葉は、いつも核心を突いていた。
「男子は人気があるからお客さんが入る、というだけでなく、各クラブの取り組みも積極的だと思うし、選手の発信もそう。今の日本の女子バレーは一歩どころじゃなく、何歩も男子バレーの後ろにいる、と露呈したのはいいことだと思います。そこで卑下するのではなく、じゃあどうしようか、と考えて、いい方向へ向かっていく。選手の意識も変わってきているし、だからこそみんなで、いいリーグをつくって、いいバレー界にしたい、という思いも強くなりました」
それぞれのチームが地域性を打ち出し、ホームゲームを盛り上げようと試行錯誤を繰り返す。1年目の昨シーズンは集客に苦労する場所や試合もあったが、女子バレーが面白くなっていること、そしてこんな選手たちが日本代表として戦い、SVリーグで戦っている、と知ってもらうために、日本開催の国際試合は絶好の舞台でもある。
「SVリーグも手探りだったように、この代表も1年目。正直ここからどうなるんだろうと思うし、私たちも監督がどんなバレーをしたいのか、まだまだわからないことがたくさんあって、この先、うまくいくこともあれば、いかないこともあるかもしれない。でも、どういう状況でも私にできること、やるべきことはあると思うので。まだまだヘタクソですけど、自分ができることはとにかくやりきる。全然あかん日もありますけど(笑)、妥協せず、とにかく必死で頑張ります」
初の五輪出場や皇后杯優勝、SVリーグ初年度とさまざまな経験を重ねたミドルブロッカー宮部藍梨は、この先の戦いでどんな姿を見せるのか。ひとつひとつのプレーやその時々の"熱"を、どんな言葉で語るのか。
まだまだ始まったばかり。楽しみも、広がるばかりだ。
【プロフィール】
■宮部藍梨(みやべ・あいり)
1998年7月29日生まれ、兵庫県出身。181cm。ミドルブロッカー、アウトサイドヒッター。小学3年でバレーを始め、金蘭会高校では1年から活躍し、インターハイ、国体、春高バレーの高校3冠を達成。ミネソタ大学大学院卒業後、海外チームからのオファーもある中、「プロとしての1年目は原点で」とヴィクトリーナ姫路へ入団。日本代表としては、2024年のパリ五輪に出場した。
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