宮部藍梨が日本女子バレーに抱く危機感と今後 「何歩も男子バレーの後ろにいる、と露呈したのはいいこと」 (2ページ目)
SVリーグのレギュラーシーズンが終わり、間もなくチャンピオンシップが始まるという頃に行なったインタビューでも、彼女の言葉からはストレートな熱が伝わってきた。
「SVリーグを『世界最高峰』というじゃないですか。でも、その定義が曖昧かな、と思うし、試合数や日程の決め方、選手側としてはいろんな疑問があります。もちろんプレーに関しては、私たちが頑張って体現することで世界一に近づくのかもしれませんが、エンターテインメントや集客に関しては、まだまだ世界一には遠いかな。
他のリーグと比べるものではないかもしれないですけど、たとえばアメリカのプロリーグはリーグ全体として盛り上げようとしているのが伝わってくるけれど、SVリーグは各クラブが背負う比重がすごく大きい。特に集客や人気の面で男子と女子は大きな差があるなかで、『それぞれが頑張って』と言われても、何をすればいいのかわからない、というクラブもあるかもしれないですよね」
【「妥協せず、とにかく必死で」】
長いシーズンの最中、男女を問わず、さまざまな選手やスタッフ、フロント陣、それぞれの目線で「SVリーグの課題やさらによくなると思われることは何か」と尋ねた。目線や立場が変われば意見は当然異なり、収益を得るためには少しでも多く試合をしてホームゲームを増やしたい、と考える経営陣に対して、選手や現場で戦うスタッフは「それでは身体が壊れる」と警鐘を鳴らす。どちらが正しい、どちらが間違いではなく、聞けば聞くほどさまざまな意見があったが、宮部はその状況こそが「あるべき形」と語っていた。
「選手が声を上げること自体がいけないこと、と感じる機会も、これまでは少なからずありました。特に女子選手は、思っていることがあってもなかなか言わない。私自身もそこはアメリカに行ってすごく変わった部分ですけど、でも自分たちが戦う場所なわけだから、もっとよくなるためには自分たちで変えていくために意見も言わないといけない。もっとちゃんと、意見を発する選手が増えていくことも必要だと思うし、私は、私が思うことはちゃんと伝えていきたいです」
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