西田有志「すごく刺激的」 大阪ブルテオン、海外クラブとの邂逅を楽しんで世界への切符を獲得 (3ページ目)
「自分たちのベストパフォーマンスで、互角に戦える相手だったので......」
そう言って、ブルテオンのキャプテンでミドルブロッカーの山内晶大は、冷静に試合を振り返っている。
「各々がやるべきことをして、いろんな想定をして戦わないと難しいですね。相手どうこうよりも、自分たちの問題でした。短期間で彼らはチームを作ってきたわけですが、相手が個人の力を発揮し、手がつけられない形に持っていかれると、きつかったです。ティリ監督を"もっといい形で送り出したかった"っていう悔しさが、今の感情の正直なところですね」
5シーズン率いたティリHCは今後、日本代表監督としての指揮に専念するという。ブルテオンにとって、ひとつのサイクルの終焉だ。
最後の会見で、ティリHCは晴れがましい顔をしていた。ずっと連れ添った通訳は、感極まって涙を流した。彼女はそれを詫びたが、そこまで強い絆で"伴走"してきたのだろう。その絆は選手、スタッフと張り巡らされていた。今シーズン、タイトルには手が届かなかったが、退席する彼らに向かって報道陣から自然に拍手が送られたのは、"ティリ・ブルテオン"への惜しみない喝采だった。
「ブルテオンでの5年間に感謝です」
ティリ監督は曇りのない笑顔で言った。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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