髙橋藍が語る「サンバーズの勝ち方」とは 怒涛の16連勝でチャンピオンシップ準決勝進出 (3ページ目)
もはや、死角はないのか?
「今はすごい自信を持って、サンバーズはプレーができています。それは、すごくいいことですけど......」
髙橋は一拍置いて、こう続けている。
「ファイナルはファイナルで戦っていく、というのも重要だと思っています。このままファイナルに行くと、きっと難しいところもあって、初心というか、気持ちを一回リセットして戦うべきで。気後れはせず、でも意識はしすぎず、今以上に強いサンバーズを求めていくことが勝利につながると思います」
髙橋は、彼らしい勝負論を語っていた。死角がない、という自信過剰こそ、勝負の感覚を鈍らせる。流れを失った途端、バレーボールは魔物に底まで引きずり込まれるのだ。
翌4月13日、サンバーズは長野を再び3-0とストレートで打ち負かしている。髙橋など主力を温存しながら、16連勝でレギュラーシーズンを締めくくったことは、チャンピオンシップに向けて朗報だろう。ただ、タイトルをかけた戦いは別物だ。
「最後は自分たちを信じて」
髙橋の誓いだ。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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