髙橋藍が語る「サンバーズの勝ち方」とは 怒涛の16連勝でチャンピオンシップ準決勝進出 (2ページ目)
【確立されているチームの勝ちパターン】
髙橋はそう振り返るが、まさに有言実行だった。
「(序盤は拮抗した展開だったが)最初から引き離せたらラクですけど、なかなか簡単にはいきません。だから、まずは我慢で、相手がいいプレーをしてきても食らいついていく。必ず離せるチャンスがあるので、エースやブロックを自分たちがものにできるか。結局、10点くらいからはブレイクを取って差を広げ、"自分たちのバレーの勝ち方"をしっかりと出せたかなって」
サーブで崩し、ブロックで勝負。チームには単純明快な勝ちパターンが"インストール"されている。サーブはドミトリー・ムセルスキー、アライン・デ・アルマスがパワーサーブでエースを狙い、怖さを与える。髙橋はショートサーブで崩し、大宅真樹がジャンプフローターで幻惑。相手チームはわかっていても戸惑い、レシーブが乱れ、Aパスを戻すのにも四苦八苦だ。
「サンバーズはもともとサーブ能力が高い選手多いです」
髙橋はそう説明する。
「ディマ(ムセルスキー)やAJ(アライン)がパワーヒッターとして、サービスエースで貢献してくれて。他の選手はエース狙いよりも効果的に崩し、ディマとAJのふたりがブロックで勝負できる強みを生かす形ですね。(効果的なサーブで)相手の攻撃枚数を減らしながら、ディフェンスとブロックで崩していく。それが自分たちの戦い方です」
ムセルスキー、アラインのふたりが制空権を握るだけでない。ミドルブロッカーも、復帰した小野寺大志、長野戦のPOM(プレイヤー・オブ・マッチ)の鬼木錬などが奮戦。サーブとブロックの両輪で勝機を呼び込んでいる。
そして髙橋は、変幻自在の攻守で意外性を見せる。長野戦もオールラウンダーぶりは健在で、バックアタックが光彩を放ち、広角に振り分けるスパイクは非凡で、サーブレシーブも一流リベロ顔負けだった。サーブがネットインしてエースになる幸運もあったが、相手を苦しめているからこそ、そうした現象も生まれるのだ。
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