【ハイキュー‼×SVリーグ】ジェイテクト岩本大吾が挑む「勝ち負け」の世界 ハイキュー‼のあるキャプテンに「勇気づけられる」 (2ページ目)
彼は正直だ。いくらでも誤魔化せることを隠さない。その誠実さこそ、彼の人間性なのだろう。
「やりたいようにやれ。お前の人生やから」
父にはそう言われたという。バレーを強制されたことも、自慢話をされたこともない。いつも自分をリスペクトしてくれる父に、現役時代のことを聞こうと思ったこともあるが......。
「どういう選手だったのか聞くタイミングはあったんですが、照れ臭さがあるというか......」
彼はそう洩らしたが、きっと親子揃って優しいのだ。
しかし、トップリーグでプレーする息子は、勝ち負けですべてが決まる戦いに挑んでいる。同じチームには、日本代表でパリ五輪にも出場したミドルブロッカー、髙橋健太郎がいる。彼と対峙し、超えることができるのか。
「高校、大学と誰かの背中を追うだけで、その人を超えた経験はない。たぶん、自分で限界を決めちゃっているんだろうなと思うんです。でも、SVリーグというバレーで一番上のカテゴリーにいるんだから、そうも言っていられない。長野戦では初めてリーグ戦で先発して負けて、"もっとやらなあかん"って思ったし、負けをうまく落とし込めた。戦える武器をもっと探していかないと」
誠実な男は、そう言って上を向いた。
【岩本が語る『ハイキュー‼』の魅力】
――『ハイキュー‼』、作品の魅力は?
「自分の周りでも『読んでいる』という人は多いですね。ジャンプ漫画のなかでも、負けた側にあれだけスポットが当てられる作品はないんじゃないかと。キャラクターの個性もいいですね」
――共感、学んだことは?
「当然、勝ち負けはあるんですけど、それだけじゃない。バレーをやっていなくても共感できる作品だと思います」
――印象に残った名言は?
「インターハイ予選での、烏野の烏養(繋心)コーチの言葉ですね。烏野が青葉城西に負けたあと、ご飯を食べる時の『――食え食え 少しずつ でも確実に 強くなれ』というシーン。自分もインターハイで負けて、その夏を経て強くなる経験をしました。夏のしんどさがあってこそ、なんですよ。僕も、母からとにかく食べるように言われていたので、重ね合わせた部分がありました」
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