パリオリンピック女子バレー、初戦に黒星 巻き返すための古賀紗理那の「答え」とは? (2ページ目)
【攻め手が増えると敵は混乱】
「2セット目、3セット目で、(相手の)シャット本数も増えてきたことが今日の敗因だと思っています。私たちのスパイクミスが多かったかな、という感じで。私の打数が増える、というのはやっぱり苦しい展開ということかな、と思います」
古賀は敗北の悔しさを噛み殺すように言った。
4セット目、日本はデュースに持ち込む健闘を見せたものの、最後は26?28で敗れた。
なぜ"善戦"に終わったのか、敗北をどう糧にするのか――実際のところ、短期決戦でそこまで掘り下げている時間はない。五輪のような舞台では、勝負はどちらにも転び、運も作用する。
「切り替える」
多くの選手が語るように、それしかない。しかし、ひとつ言えるのは、仮説を立てるのは悪いことではない、ということだ。
たとえば、もっと多く弾を装填できたら、エースの古賀はより確実に敵を撃ち抜いていたのではないか。
実際、古賀は両チームを通じて最多得点で、彼女ほどのアウトサイドヒッターは世界的にも少ない。その武器を生かすトスだったり、囮にもなるミドルブロッカーのクイックだったり、あるいは"もうひとりのアウトサイドヒッター"の存在だったり、そこで変幻の戦いができていたら、自ずと勝利につながっていたのではないか。それは検証すべき勝利への仮説と言える。
パワーと高さが顕著だったポーランドは、欧州屈指のミドルブロッカーであるアグニェシュカ・コルネルクが、両チームを通じて突出して多い8本のシャット数を記録していた。そのディフェンスが、攻撃に選択肢を与えていたのは間違いない。そして、イタリア、セリエAで有数のセッターであるヨアンナ・ボロシュは、安定したトスを自在にアシスト。2セット目の終盤、3セット目の中盤以降、精度の高いセットアップをいくつも成功させていた。
もし古賀がそうした援護を受けていたら、優位にポーランドを攻め崩せていたかもしれない。
ひとつの光明は、古賀を含めて石川真佑、和田由紀子と、3人がフィットすると優位に立っていたことだ。石川はブロックアウトを狙うなど随所に技量の高さを見せ、和田は途中から入って鋭いボールを打ち込んでいた。攻め手が増えると、敵の混乱も明らかだった。
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